陰嚢がかぶれてなかなかなおらない。場所が場所だけに、仮性包茎なこともあって病院に行きづらく、放っておいたが皮がかさかさ剥けるようになってきてしまった。おまけにかゆみが広がり仮性包茎の先っぽもかゆくなってきて、腫れ上がったようになってしまった。
これはさすがに放っておけなくなって、病院を探したが、いざ探すと皮膚科が見つからなかったり、婦人科と併さっていたりで、適当なところが無かった。できればじいさんのお医者がやっているような医者が良かったが背に腹は帰られず、会社をぬけて最寄り駅近くの雑居ビルの中にあるはやってなさそうなところに行った。
そしたら、女医さんだった。40前後だったと思う。恥ずかしくて良く見られなかった。
―どうしました。
当たり前の問いかけに緊張した。口ごもりながら、陰嚢がかゆい、と言うと、ズボンと下着を脱いで横になれと言う。
腫れた仮性包茎を一目見ると、あらあらこんなにしちゃって、と言い、ペニスを持ち上げ、陰嚢の裏側をまじまじと見てから「男性の場合タムシとかもあるので調査する」、といって、ピンセットで皮をむしった。ちくっとした刺激が、かゆいところに心地いいような感じだった。
幹部をさらけ出し横になったまましばらく放っとかれ、その間、看護婦やら受付にいた女性なんかに見放題された。ネクタイ姿で下半身丸出しで診察台に横になっているのなんてあんまりかっこうよくない。ひどくみじめな気分でいたところに医者が戻ってきて、いつからですか、とか、この辺はどうですか、等と聞かれてるうちに、相手が女性であることを意識してしまい、少し勃起してきた。いかんいかんと思ったら、よけいに気になって、すっかり勃起してしまった。それでもそのまま診察が続いて、看護婦に薬を塗ってもらった。
ここで、立派ですねと口で云々それを見ていた上女医がどうのとなればここにふさわしいのだろうけれど、事実は女医と看護婦の前の勃起をさらして、みじめな気分のサラリーマンがいたって言うことだけ。もっとも、M的露出気分は味わえたけど。