バイクでの接触事故、左足に全治二ヶ月の怪我
これから退屈な入院生活、そんな自分に悪友からの差し入れが事の始まり。
悪友の差し入れはエロ小説5冊、しかも全て看護婦もの
これで退屈な入院生活が地獄の入院生活に変わりました。
何せ周りは小説の中で凌辱されている獲物と同じ看護婦だらけ
自分は足の怪我以外はいたって元気だが
早々同じ様な出来事が自分の身に起こるとも思えず、悶々とした入院生活が半月程続きました。
転機が訪れたのは差し入れの5冊を読み終えて数日が過ぎた頃
いつもと違う看護婦がシーツを替えに来た時です。
「本、お好きなんですね。私も好きなんです」
ベットサイドに積まれた本を見て、自分に話掛けてきた。
色白で小柄なその看護婦はメガネを掛け、地味な感じでいかにも本が好きそうだった。
自分は悶々とした日々の悪戯心で
「そうなんだ。それならその本持ってていいよ、もう読んじゃったから」
シーツを直し終えたベットに移り、その子に本を手渡した。
「いいんですか?」
渡された本を手に目が輝いた。この時この子は純粋に本が好きなのだと思った。
「いいよ、どうせ読み終えた本だし。読んだら感想とか聞かせてよ」
女の子がエロ小説を読んで、どんな感想を持つのだろう?
それを想像しただけで自分の口元は緩んでしまった。
それから暫くはその想像だけで楽しい入院生活になったが
あれ以来その看護婦がくる事は無かった。
怪我も回復に向かい、リハビリの為リハビリセンターに向かう途中
別の病棟であの子を見かけた。
その子も自分に気付いたが、会釈をしてその場を離れた。
流石に自分でも悪戯が過ぎたと思わざる得ないくらい、あからさまに避けられている感じだった。
数日後、リハビリを終えて部屋に戻る自分を呼び止める声がした。
振り返るとそこにはあの子が立っていた。
「あの・・・これ、この前のお返しです」
下を向いたまま、かわいいカバーの付いた文庫本を差し出していた。
自分が本を受け取ると、そのまま振り返り小走りでその場を後にした。
部屋に戻って早速とその本を読みはじめた。
驚いた事にその本もエロ小説、しかも内容は看護婦が患者にレイプされ、
それからSM調教を受けているものだった。
読み終えた時、後ろに挟まれたメモを見つけた。
メモにはこう書かれていた。
「初めは驚きましたが、それ以上に見透かされてたと怖くなりました。
その後の配置換えでもう会う事もないと思ったのですが
見つけられた時は、もう逃げられないと感じました。
私はこの本に出てくる由佳と同じ名前です。
だからいつも自分に置き換えて読んでました。
由佳」
確かに本をよく見ると手垢の跡が付いているし、
中に出てくる看護婦は由佳と言う名前だった。
となると、考える事は一つしかなかった。
本の中で男は退院の前夜に由佳をレイプする。
『病は気から』では無いがその想いで回復も順調に進む
リハビリの通院は必要だが、予定より2週間も早く退院の診断がでた。
決まったその日、その事を由佳に伝えた。
その後は、原作に合わせて・・・・・・・・・・