彼の情熱的な律動は、私を二度目の頂に導いた直後に終わりを告げた。ようやく体を休ませる機会を得た私は、二度目の絶頂の余韻を味わいながら、ソファーに突っ伏したまま大きく息を吐いた。まだ交尾が始まってからおそらく5、6分しか経っていないだろうというのに、もう体が満足に動かせない。たった5,6分で二度も登りつめれば無理もないが、彼との交尾は、まだ中盤にすら達していない。ここから始まるのは、長く静かな地獄。数十分にも及ぶ静寂の中で、私はひと時も休むことを許されずに快感を与え続けられる。雌に堕ちた私にとってそれは、まさに地獄に等しい快楽だ。しかし、それは甘美な時間でもあった。彼と繋がっていること、彼と交わっていることを再認識出来るし、何より、私を絶頂状態にさせ続けてくれるから、数十分の間嫌なことは何ひとつ考えなくて済む。私の肩のあたりで荒い息を吐き続けていた彼が、一瞬硬直するのと同時に、一切の隙間なく彼で満たされた私の膣内に、灼熱の精液が放たれた。思わず、「熱い!」と声を上げる私。無理もない。40℃前後の液体だ。それが、水鉄砲のような勢いで私の膣奥に叩きつけられる。しかも、秒単位で間髪いれずに何度も何度も。「はぁ・・・熱っ!・・・ん・・・あぃん!」熱い精液が私の中に流れこむ。オーガズムで敏感になった部分、律動で擦り切れた部分、膣壁の様々な部分をまるで焦がすように通過してゆく。「いやぁ・・・熱いぃぃ・・・」私はまた喘ぎ出した。彼と何度交わってもこれには耐えられそうにない。やがて膣内が満タンになり、精液は、その温度を保ったまま子宮へと向かい始めた。普段は何物の侵入を許さない子宮口は簡単に突破され、本丸の子袋に到達した。突然の侵入者に驚き、跳ねる私の子宮。精液の移動を一部始終感じていた私も、それと同時にびくっと跳ねた。体が中から犯されている。下腹部が熱い。子宮が焼かれるように熱い。どんどん流れ込んでくる。止まらない。秒単位で常に新鮮な精液が運ばれてくる。だから、いつまでも温度が下がらない。熱い、熱いよ。秒単位で射精されるということは、秒単位で瘤もペニスも振動する。そして、それがGスポットもクリの裏の神経も刺激する。あれがポンプだから、精液が続く限り振動して刺激される。やめてよ。そんなに刺激し続けないで。おかしくなる。熱いよ気持ちいいよ、あぁもうわけわかんない。
セミロングの髪が、汗でベタベタになった肌にくっつき、ブラとTシャツは汗を吸って、体に張り付いていた。それでも、雨漏りみたいに次から次へと滴り落ちる汗。熱帯夜の地下室での交尾は、もう数十分が経っていた。彼の精子は、大量の精液の海に乗せられて、私の中にすでに到達しているだろうに、彼はまだ私に注ぎ足りないらしい。勢いはいまだ衰えない。私はすでに虫の息だというのに・・・。もうソファーと彼の瘤の支えなしでは、四つん這いも維持できない。あれだけカバーを強く握りしめていた掌は、力を失ってだらしなくなって顔の横にある。快感に犯され続けた脳は、もはやその役目をなしておらず、体のどこを動かそうにも、指令が出せないくらいに壊れていた。ただ、膣奥にぶち当たる感覚、子宮が膨らんで他の臓器を圧迫する感覚、精液の与えるこの二つの感覚と、ペニスと瘤の圧倒的存在感だけが、私に現状を教えてくれる。この状態は、さらに続き、私の意識を暗黒色に染めた。
目が覚めると、私は、ソファーによりかかったままの自分に気付いた。時計は、地下室に入った時よりおそろしく進んでいた。だが、気絶するほど楽しめれば文句はない。うまく動けない体を何とか操り、後片付けをする。私の股の下のタオルには、子宮に入りきらなかった精液が、大きな染みを作っていた。これは掃除しがいがあるなと、下腹部の存在感に目をやる私。豚ほどではないけど、あれだけ出されると、流石にずしっとくる。これのせいで、買い置きの生理用品がすぐ無くなってしまうけど、まあ仕方ない。垂れ流しで外出など出来ないし。あらかた片づけ終わると、私は、部屋の隅で熟睡している彼を叩き起こし、一緒に地下を後にした。彼は、私からお礼のキスをもらうと、すぐに自分の寝床でまた眠りに着いた。
彼を寝かしつけた後、私は、シャワーを浴びながら、これで良いのかといつも自問自答する。夫への裏切り、彼への依存、日々の生活の欠如・・・。家を任された者として最低の行為ではないのか?だけど、仕方ないじゃない。嫌なこと忘れたいんだもの。ぶっ飛ぶくらいおかしくなれば忘れられる。だから、仕方ない・・・。本当に仕方ないの?せっかく気持ちよくなったのに、この自問自答で、また私は鬱っぽくなる。それが響き、結局、その晩は疲れ切って寝るのだけれど、また翌日の夜に怯えだす。そして彼がやってきて・・・。あの日以来、この無限ループだ。抜け出す方法などあるのだろうか。いや、思いつかない。どうせ、明日も気絶するくらい抱いてもらうんだろう。いいよ、それで。シャワーからあがった私は、体のケアもそこそこに、ベッドで死んだように眠った。
長文失礼しました。
長すぎて読むのが面倒になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。
構成力がなくて申し訳ありません。
今月中くらいにあと一回くらい投稿できたらと思います。
それでは。