人類とチンパンジーは、共通の祖先から分岐した後、「異種交雑」の末に最終
的に誕生した・・・。
人類の起源と進化にかかわる新しい学説を、米ハーバード大とマサチューセッ
ツ工科大(MIT)の研究者が17日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
研究チームは、人類やチンパンジー、ゴリラなど類人猿の遺伝子(DNA)を計
2000万個以上、ゲノム解析して比較。
その結果、人類とチンパンジーで、DNAの塩基配列の違いが起きたのが、DNAに
よって約400万年も年代が異なることを突き止めた。
そのうち最も新しいのは、現在から630万~540万年前。
研究チームは、両者の祖先が約1000万年前にいったん枝分かれした後、約
400万年後に「長期間の交雑が起きた可能性を示している」とハーバード大の
デービッド・ライヒ助教授(遺伝子学)は指摘。
ただ、研究チームに属さない同大のダニエル・リーバーマン教授(生物人類学)
は「二足歩行をしていたはずの人類の祖先が、四足歩行のチンパンジーの祖先
に魅力を感じたとは想像しにくい」と困惑。
人類の誕生をめぐる論争に発展しそうだ。
人類誕生の年代はこれまで、2001年にアフリカのチャドで発見された最古の猿
人化石により、約700万年前と推定されている。
新説のDNA解析によれば、それよりも遅く、540万年前以降となることになる。