(ふぅ 忘れ物は… あっ テレビ!)
時刻は夕方。
ここはバスルーム。
裸のメイ。
クーラーボックス。
まな板に包丁。
カセットコンロと鍋に汁椀、箸。
調味料の類。
電池式の防水ポータブルワンセグテレビ。
そして、ありったけのオモチャ達が床に散らばっている。
ダーリンは新しく出来た営業所の落成式で地方に出張(上司のお供)
帰宅は明日の夜。
独りぼっちが嫌いなメイはウンチと過ごすコトにしました。
たまに画像が乱れるけど、さほど気にならない。
そもそも真剣に観ているワケではない。
興味のない画面を眺めながらローターでお豆をいじっている。
(あ、イく…)
爪先がピンと伸び、腰が浮く。
(はぁ もう飽きた…)
夕方からバスルームに籠もり、今は19:00。
小さな噴火を何度も繰り返していた。
(お腹すいたな~ ごはん作ろっと)
クーラーボックスの蓋を開け、作り置きしてある出汁が入った瓶とお豆腐、ネギに味噌を取り出す。
鍋に水を入れ、カセットコンロに載せ火を点ける。
ほどなくして、お味噌汁の出来上がり。
(ヤバい、鍋敷き忘れてるよ~)
床に直に置くわけにはいかない。
仕方なく取りに出る。
盛り上がっていた気分が一気に興醒めする。
しかし、これが効をそうしたのか、お腹が渋くなってくる。
急いで料理に取り掛かる。
次は豚の生姜焼き。
予め漬け込んでおいた豚肉をフライパンで焼くだけ。
火が通る間にキャベツの千切り。
リズミカルな包丁の音がバスルームにトントンと響く。
(あーん ウンチ漏れそう…)
しゃがみながらの態勢がマズい。
やっと完成。
お皿にお肉とキャベツを盛り、クーラーボックスからオニギリを取り出す。
タッパーに入れた白菜の漬け物。
お椀を出し…
(はぁ お玉も忘れてるし)
もう取りに行く気は無い。
鍋から直接お椀に注ぐ。
いただきます!
お味噌汁を啜る。
お肉もおいしい…
(ゲッ まぢか マヨネーズもだ)
生姜焼きのタレをたくさんまぶして食べる。
お腹が限界を訴えている。
お尻の穴を緩める。
一瞬の抵抗があったが、すぐにモリモリと産まれてくる。
右手の箸でお肉を挟み持ち、左手にオニギリ。
それらを頬張りながらウンチをひり出す。
食べながら、出しながら。
輪廻転生?
(いや、そうぢゃないだろ~)
バカなコトを考えながら次々とウンチの山を創っていく。
はいはい、続くんでしょ