もう時効なので書きます。
大学生の頃、俺を振った女が近所に住んでいたのでよくゴミを回収していた。
名前はまゆ(仮)。AKB小栗似の美人で俺と同じサークル内では男たちからお姫様のような扱いを受けていた。
性格はそれほど良くなく、ぶりっ子で男子ウケしそうな可愛い服をよく着てくる。
始めのうちはよく話したり彼女の家に行ったりしていたが、
俺が告白に失敗しサークルから追い出されてからは目すら合わせてもらえなくなった。
学校ではまともに話すらできない高嶺の花の彼女のゴミ…
だが毎週ゴミ出し日の夜に出してくれるものだから回収は楽だった。
見分け方も簡単。袋がパンパンになるほどのティッシュが入っているのが目印だ。
家に持ち帰り、袋を開けると中のティッシュが溢れ、室内がまゆの臭いに包まれる。
丸められたティッシュを1枚ずつ開けていく。中に入っているのは8割がた「鼻くそ」だ。
毎週2箱分ほどの鼻くそ付きティッシュが生産されている。初めて持ち帰ったときはその量に心底驚いたが、
学校ではキレイに繕っている子が家では鼻くそをほじりまくっていると思うとたまらない。
ティッシュを開くときのぱりぱりとした感触とともに、こびりついた黄色い塊が顔を出す。
口に含むと、薄い塩味。舐めていると俺の唾液で粘度を増してくるまゆの鼻くそ…至福の時間だ。
たまに「おま毛」もついている。いつも可憐な彼女の鼻から出てきたとは思えない黒く太い、立派な鼻毛。
鼻くそと一緒にチャック付きの保存袋で保管する。卒業までの4年間で小さな袋2枚分の鼻くそと鼻毛が集まった。
鼻のほじり方にも特徴がある。
いつもは指にティッシュを巻いてほじっているようで、指の形に添って鼻くそが付着しているが
たまにティッシュをドリル状に丸めて鼻に突っ込んでいるものがあり、俺は「鼻くそドリル」と呼んでいた。
ねじれたティッシュの壁面にびっしりとついたまゆの粘液…その先端に黄色く乾いた本体と太い毛が貼りついている。
鼻くそドリルは数ヶ月に一度程度しか穫れないが、両の鼻に2本同時挿ししたものが出てきたときはテンションが上がった。
鼻くその話が長くなりすぎてしまった…
それ以外のゴミは他愛のないものばかりだが、自炊をしないので生ゴミが入っておらず、どれも状態がいい。
たまにオリシーとナプキンも入っているが、女なら出して当たり前のゴミ。汚れも少なく面白みはない。
鼻くその次に楽しみにしていたゴミは、彼女の落書きだ。
彼女は絵を描くのが趣味らしい。絵のジャンルは当時流行っていたアニメやゲームのものが主だったが、
まれにそのキャラ同士が服を脱いで絡み合っている絵も捨てられていた。
タッチはつたないが、知っている女が影でこんな人に見せられないような絵を描いていたのかと思うと興奮する。
普段男ウケする格好で愛嬌を振りまいているくせに、中身は割とオタクのようだ。4年間彼氏がいた痕跡もなかった。
卒業してからはすぐ上京したらしく、引っ越してからの足跡は分からない。
今も家で鼻をほじっているのだろうか?