行事が近いので床屋に行っておこうと思った。あいにく行きつけの床屋は満杯だったので人里離れた床屋へ行った。入った瞬間、しめ鯖のような酢~いニオイがしたのが印象的だった。安物のシャンプー類のニオイだろうか?スタッフといっても床屋のオヤジと娘だけらしい。でも娘は財前直美風の美人だ。散髪席は2席しかない。既に先客が一人いた。五分刈のハナタレ坊主である。丸坊主にでもするのだろうか?オヤジがバリカンでカチカチ刈っていた。ということは俺の担当は娘である。ラッキーだ。まずは俺の濃い髭を剃ってくれるみたいだ。白い瀬戸物の容器に湯と何かを混ぜてシャカシャカと音が聞こえてくる。カミソリも皮製ヤスリで研いでいるらしくペタッペタッ
と聞こえてくる。乳液?が冷めたころ娘が白い瀬戸物の中の液体を刷毛で混ぜながら俺の顔に塗り始めた。心地よい生温い温度加減だ。額から下の方に丁寧に塗ってくれた。だが鼻下まできたとたん、酢~いニオイがしてきた。
唾のような臭いニオイである。その時、首振り扇風機がハナタレ坊主の方向で一旦停止した。すると坊主が「臭っさあ~酢のニオイがするがな、」この発言に娘は手を止めスゴスゴと店の奥に入って行って出てこない。俺は酢臭い乳液を塗られたまま放ったらかし状態である。見るに見かねてオヤジが後処理してくれたから良かったものの、いったいあの乳液?には娘の何が混ざっていたのだろう?