最近思い出した体験談。
四年ほど前の冬。就活の一環で、介護施設のデイサービスで研修を受けたことがあった。
別のバイトの傍ら、慣れない仕事に四苦八苦しつつ、先輩スタッフに付き添ってもらいながら、仕事に向き合っていた。
中年の女性が多いスタッフの中で、若い女性が二人。一人はそんなに可愛くなかったが、もう一人の女性・森さん(仮名)は可愛かった。小柄で、顔の雰囲気は上白石萌音みたいな感じ。大人しい性格で、立ち振る舞いから、入社して日が浅いことがうかがえた。
ある日の研修で、利用者の入浴介助をしていた。入浴は午前希望者と午後希望者に分かれる。この時は午後、僕と森さんとベテランの女性と三人で対応。入浴介助なので、当然裸足になる。
利用者の入浴を一通りこなし、手持ち無沙汰になるタイミングがあった。そこで邪念が…。
浴場を出る。入り口前には僕らが脱いだスリッパと靴下が。当然、森さんの靴下も…。
他の利用者やスタッフは、いつも全員でやる体操をしていて、一カ所に集まっている。入り口は死角だ。
森さんの靴下をサッと手に取り、つま先を鼻に押しつけた。汗の湿り気はない。しかし匂いを嗅ぐと…そんなにキツくはないものの、蒸れた足の匂いを嗅ぎ取れた。
スリッパとはいえ、やはり多少は汗をかく。それも、冬特有の濃い汗を。それに、まだ慣れない仕事で緊張もするだろう。微臭ながら、森さんのムレ臭に興奮した。
怒られるといけないので、嗅ぐのはほどほどにして浴場に戻った。
その後も入浴介助は何度かあったが、森さんの靴下はあの時しか嗅げなかった。
研修は二、三ヶ月ほど参加したが、合わないと判断して入社は辞退した。