小学校高学年にして、すでに異性の匂い、それも足臭に魅せられていた僕。
幼馴染み(痩せていれば美少女)の家に遊びに行ったとき。興味本意で、彼女の脱ぎっぱなしの靴下をこっそり嗅ぎ、その強烈な臭いに衝撃を受けた。以来、「もっと可愛い女の子の足でも匂うのか、嗅いでみたい」と、常々思っていた。
ある日の休み時間、図書室のカーペットスペースを使おうとすると、先客がいた。クラスメイトのアヤちゃん(仮名)だった。
アヤちゃんは、さらさらのセミロングの髪がトレードマーク。誰でも分け隔てなく接する明るい性格で、何より美人だった(誰に似てるかは思い付かない)。
アヤちゃん「お、〇〇くんじゃん!」
僕「よっ。探しもの?」
アヤちゃん「うん。なんか面白そうなのないかと思って」
アヤちゃんはそう言うと、本棚に向き直り、膝をついた姿勢で並ぶ本を吟味していた。そんな彼女の後ろ姿、というかソックスの足裏を眺めていた。
上履きを脱ぎ、カーペットスペースに上がる。そして、アヤちゃんに近づく。
アヤちゃんの脚は、オレンジ色のニーハイソックスに包まれていた。ナイロン製のラメが入った生地だった。
そっと姿勢を低くする。アヤちゃんはこちらに背を向けている。棚がカーペットゾーンを囲むように置かれていて、今なら僕の姿は隠れている。誰にも見られていない!
アヤちゃんが振り向かないか警戒しながら、アヤちゃんのソックス足裏に顔を寄せ、鼻息を深く吸い込んだ。
(クサっ!)
興奮より驚きが勝り、思わず顔を上げてしまった。
気配に気づいたアヤちゃんが振り返り、「どしたの?」と聞いてきたが、「何でもない」と誤魔化した。アヤちゃんは怪訝そうな顔を見せたが、また本棚とにらめっこ。
(……危なかった)
一瞬しか嗅げなかったが、確かに匂いがした。
嗅いだ瞬間、汗の酸っぱい匂いがツーーーン!!
(美少女の足の匂い……直に嗅いでやったぞ!ていうか、可愛い子でも足臭いんだな…)
その後僕も、本来の目的だった本探しをしていたが、興奮のあまり何も見つけられず仕舞だった。
美少女の足臭に酔いしれた僕は、ますます異性の足臭を欲するようになっていった。
数日後。たまたまその日も、図書室を利用していた時だった。
本を物色していると、カーペットコーナーに、ジュリちゃん(仮名)の姿を見つけた。
学級委員を努める優等生。スポーツも得意で、今でいう菅野美穂似の美少女だ。
前回の成功で味をしめていた僕は、ソロリと上履きを脱ぎ、カーペットコーナーに入る。
ジュリちゃんは、仲良しの女の子と一緒に、読む本を吟味しているようだった。ともに膝をついて、足裏をこちらに向けている。
もう一人の女子はタイプではなかったので、ターゲットをジュリちゃんに絞った。
前回同様、姿勢を低くし、そっと近づく。本棚の位置を利用して外から身を隠す。
ジュリちゃんは、薄い青色の綿ソックスを履いていた。うっすらと茶色い足型が浮かび上がっている。優等生なのにソックス足裏を汚していることに、ますます興奮した。
二人の動作に気を配りながら、ジュリちゃんの背後に接近する。そして、ジュリちゃんの足裏に顔を寄せ、鼻息を深く吸い込んだ。すると…。
ジュリちゃんの足から、いかにも「蒸れた足」という感じの匂いが、ぷぁ~ん…と漂ってきた。
(ジュリちゃんの足…くっさぁ槌)
少しだけ匂いを嗅いだ僕は、ゆっくりと後ずさりをする。二人はまだ、本棚と向き合っている。
カーペットコーナーを離れた僕は、先ほどの匂いを吟味した。
ジュリちゃんの足臭は、アヤちゃんの酸っぱい系とは別タイプの、言うなれば納豆系の匂い。これはこれで興奮する匂いだった。
立て続けに美少女の足を嗅げて、しかも匂い的にも当たりで…。
僕の足臭フェチは、いよいよ極まっていった。
足臭フェチに目覚めて二十年くらい。今は、長らく女性の匂いを嗅ぐ機会には恵まれず。日々悶々としている。