1年以上前に、あるフリマサイトで買った上履きの話。
フリマサイト内を彷徨っていた時、猛烈に目を引いたあの上履き。
グリーンのラインが入った紐タイプの、いかにも上履きといった感じの物だ。
外見はそう汚れていないが、中敷きの汚れが尋常ではなかった。
「この上履きで果てたい」と思った俺は、早速持ち主本人と交渉し、
高鳴る鼓動を抑えながら、待つこと1週間。
夜更けにやっとその上履きを手にして、すぐに行為を始めた。
サイト内の画像で見た通り、中の汚れは半端ではない。
匂いも強烈なのではないかと少し警戒しながら、まずは右の靴の中の匂いを嗅いだ。
すると、強烈な汚れとは裏腹に意外にもマイルドで、ホッとした。
うまくは言えないが、長い時間履き込み熟成された感じで、
靴の匂いマニアの表現の仕方を借りれば、「雑巾臭」というところだろう。
この手の匂いは、俺が最も好む類である。
この強烈な汚れと、マイルドな匂いを直に感じたい俺は、
上履きにハサミを入れ、中敷きを剥き出し状態にこそしてしまったが、
譲り受けて1年以上が経過した今でも、物にぶっかけたりせず、まるで宝物のように
シークレットスペースに隠し置きしながら、ふとした夜更けに取り出し、
履いていた嬢の名前等を呟きながら、絶頂を迎えている。
そのマイルドな匂いは、今でも譲り受けた当時と遜色なく、
俺を興奮の世界へと誘ってくれるのである。