先日投稿した「身体測定」に続いて、もう一つ中学時代の思い出話を。
中二の夏休み。吹奏楽部に所属していた僕。コンクールに向けて練習にいそしんでいた、ある日の昼休憩。たまたま部室で一人きりになる瞬間があった。
部室奥に広げられた打楽器の間に、バッグがポツンと置かれていた。その上に、白い布のような物が置かれていた。
ドキッとした。
近づいてみると、白い物は案の定ソックスだった。バッグにつけられたネームプレートには、パーカッションのパートリーダー・谷川先輩(仮名)の名前が。快活でちょっとギャルっぽい、先輩部員の中ではトップ3のルックスの持ち主だった。
人の気配に警戒しながら鼻に押し当て、匂いを嗅ぐ。
(お?ほんのりとだけど…匂うぞ?)
しっかり嗅がないと分からない程度だったが、爪先から納豆系の匂いを嗅ぎ取ることができた。湿り気はなかったから、多分ある程度足汗をかいて乾いたのだろう。
(谷川先輩…ちょっと足臭いですよ…。男の僕の足は匂わないのに、谷川先輩は臭いんですね…)
幸い、しばらくは一人の時間が続き、そこそこ長時間、先輩の足臭を堪能することができた。
今思うと、なんでソックスをネタに抜くという発想が浮かばなかったのか、それが悔やまれるところだった。