昨夜の彼女とのです。 「昨日はしなくてごめん。」「仕事忙しかったの?」「浮気してた。」 「えっ」お腹の中から絞り出すような叫びにも似た声でした。暫く二人とも無言が続きました。僕が切り出しました。「昨日夜中の2時まで・・他の事は考えてなかった。うまくいくかと思ったのだけど、結局最後は駄目だった。」「結果なんて私に関係ないでしょ!それよりひろくんをそうさせた理由よ。冷静に聞くわ。私の・・・?まず、きっかけは何よ!」「4年に一度だから。」「何それ!」「ワールドカップ」「・・・もう」「事実を話したのに・・なにか二人の会話が噛み合ってないね。」「ほんと意地悪ぅ。性格悪い。」「この前の腋毛の仇をうたせて貰いました。意外に冷静だったね。」「何言ってるのよ。頭の中真っ白よ。最初に頭に浮かんだのが匂い。この前のひろくんの話が効いてるのよ。」この前の話とは、頑張り屋さんの彼女に仕事にメリハリをつけろとアドバイスした事です。彼女の体調を心配しての事でした。最初、反応が鈍かったので、切り札を出しました。「僕の話を取り入れるつもりないだろう?」「何で?」「すぐ解るよ。君の身体の事だから構わないが・・今の状態が続くと匂いが変わるよ。特に唾の匂いが。そうなったら、浮気する。」「ダメッ!」「作為的な変更は認めないよ。だからアドバイスしてる。」「嫌!」~中略~「組織って、君が頑張れば頑張る程、君と一緒に仕事をしている人達に負荷がかかる。君の役割は、如何に効率的にそして質を高めて、全体で結果を出すかだ。組織論なんて耳にタコが出来る程聞いてるだろ?でないと、宝石箱がぼろぼろになったゃうよ。それぞれの生活をしてる人間で出来てる宝石箱がね。同時に君の匂い、つまり僕の宝物を入れてる宝石箱も。解った?」「御免なさい心配かけて。涙」「解らない時は解らせる。これがひろくん。可愛い?」「可愛くない!可愛くないわよ。」「どうして?」「カッコイイ!ひろくん大好き!」「ヨカッタネ。一石二鳥だ。」「これで大手を振って浮気が・・」「バカ。ホント性格悪い。笑」こんな会話が彼女に強くインプットされていたのです。