先日、彼女の家に行きました。
私は外でデートでもいいと思ったけど彼女は2人っきりで落ち着いて会うのがいいと言うのでその日は彼女の部屋に行き料理をご馳走になる事にしました。
実は前回、彼女の告白(昔の彼との事)を聞いてからずっと考えている事がありました。
いくらこれから幸せな日々が続いてもフと昔の事を思い出した時、彼女の心の中の悩み苦しんだ嫌な記憶が蘇ってくると思うんです。
私はどうにかそれをなくせないかと考えました。
そして彼女の部屋に行き、食事をとり一息ついた時
「あのさ…今でもたまには昔の彼の事、思い出したりするでしょう」
そう聞くと
「えっ?う、うん…でも何で?」
突然の私の言葉に戸惑いつつも答えた彼女に更に
「それで嫌な気持ちになるよね」
「……………」
何も答えない彼女に私は
「でも、考え方を変えてみてさ」
「えっ?」
「その彼との事があったから俺と出会えたって思えないかな」
「…………」
なんとなく私の言いたい事がわかってきたようで彼女も真剣な顔で聞いていた。
なるべくちゃんと伝わるように彼女の目を見て更に続けた。
「確かにその彼のせいで君が傷ついたのもわかるし俺もその彼は最低の男だと思うよ、でもそんな奴の為にいつまでも君が悲しい気持ちになるのは嫌なんだ…だから彼の事を思い出した時は俺の事を考えてさ、彼のおかげとは思わなくても色々な経験をして、そして俺と知り合った、だから彼との事は決して嫌な過去じゃないと…」
私の気持ちが伝わったようで彼女は少し戸惑っていたが真剣な顔で私を見て頷いた。
「すぐにそう思うのは無理かもしれないけど、いつかそう思えるようになってほしいんだ、だって俺は君を世界で一番幸せにしたいから…なんてちょっと格好つけすぎた言い方だけどね」
すると彼女は目尻に涙を浮かべて
「もうっ、そんな事ないよ、……ありがとう、私、今本当に幸せだよ、そこまで言われたらなんかそう思えるような気がする、ううん、絶対そう思える」
そう言ってとびきりの笑顔を見せてくれました。
私はますます絶対に彼女を幸せにしよう、そう心に決め強く抱き締めました。