そして11時を回り、あたりは祭りの後の静けさに包まれ、場内にはキャンプに宿泊する者だけが残された。アリサ達はまだテントには入らず、階段に座り大声で雑談していた。なかなか集団から離れないアリサに俺は苛立った。そうして、とうとう何も出来ずに0時を迎え、半分諦めかけていたその時、ついにチャンスは到来した。不意に立ち上がったアリサが、一人集団から離れて歩き出したのだ。最初トイレかと思ったが、明らかに方向が違った。アリサは人混みを避けるように、一人駅の裏手へと向かった。そして誰もいないベンチに腰を下ろすと、ケータイを取り出し電話をかけた。息をひそめ、その様子をうかがう。するとアリサは、友達といる時とは全く違った話し方で会話を始めた。すぐに解った。相手は彼氏だった。普段あんなに下品な事を大声で話すアリサだったが、彼氏との会話では違っていた。しかもその会話を人に聞かれるのも嫌がり、わざわざこんな所まで足を運ぶのだ。彼氏は知らないだろう。アリサが2日も身体を洗わず、臭気を放っている事を。臭いカラダでカマトトぶるアリサの声を聞いているうち、俺は自分の中に暴力的なまでの性的欲求を感じた。アリサから全てを剥ぎ取り、その本来の匂いを嗅ぎたい。その匂いは臭く、男を勃起させる匂いだ。衣服を引き裂き、俺は汚れたアリサのカラダを抱きたい。ベタベタしたカラダを抱きしめ舐めまくるのだ。アリサは電話を終えるとすぐに立ち上がり、こちらへ向かって歩き出した。チャンスは今しかなかった。人気のない路地を歩くアリサの腹に、俺はすれ違いざま強烈なパンチを喰らわせた。そして気絶したアリサを一旦茂みの中に隠し、俺は駐車場へと急ぐ。車をアリサの眠る茂みの裏手に横付けし、俺は人目を忍びながらアリサを車へと運んだ。事を終えると俺はすぐに車を走らせ、そこから30分程行った所にある予定の場所へ向かった。全ては完璧だった。到着したその場所は、山あいを走る県道から少し入った所にあり、そこは昼間でも全く人気がなく、県道からは死角になっているため灯りが漏れる事もない、俺が知り得る最高の場所だった。俺は到着するなり後部座席に乗り込んだ。その日のため俺は愛車のハイエースを改造していた。窓は全てフィルムとカーテンで遮断し、後部座席は丸々ベッドに作り替えていた。そして、拘束道具やカメラ、その他必要な物は全て積み込み、万全の体制だった。俺は天井に付けられたライトのスイッチを入れた。