もうあれは20年も前になる。
中学の時の話。
2年C組だった私は、当時縦笛のコンクールがあって毎日のように
クラスで練習していた。
縦笛って知ってる方も多いと思うが、吹く楽器なもので自分でも
かなり唾がでる。
女子はよくハンカチを吹き終わるとあてていた。
そんな光景を見たら、無性に好きだったくらクラスの純子と直子の笛を
なんとか舐めてみたくなった。
放課後、確かもう真っ暗だったと思う。
2人のロッカーから笛を引っ張り出してくる。
ロッカーといっても昔は木のボックスのもので簡単に引き出せる。
2人のロッカーの場所は当然わかっている。
今でも鮮明だが、純子の縦笛は標準でついている黄緑色の笛袋。
名前はマジックで書いてあるが消えかかっていたと思う。
直子のは白い毛糸の笛袋。感触がいい。