煽ってるようですが、違います。
顔は中の下、イケメンとは程遠いし顔の形もシュッとしてないし多少の吹き出物もある。
体型だってマッチョじゃないしスレンダーでもない。
やや肥満気味でもイケメンじゃなくても、ありがたい事に年上女性にモテるので相手には苦労しない。
僕の年齢は35歳。
もうオッサンと言われる年齢だけど、40代後半のお姉様達から見るとまだまだらしい。
幸い身長は180ある。
メガネのスーツリーマン。
ファッションセンスは壊滅的。
趣味はアニメ、釣り、ゲーム、ドライブ。
スポーツ嫌い。
これでもモテる。
どうやら僕のキャラと雰囲気がお姉様達を刺激するらしい。
取引先のパートさんからジムに誘われた。
月一でも良いからと誘われて行くと、そこは女性社会の巣窟だった。
いくつかのグループに分かれていて、男性会員にいかに近づくかで優劣が決まってるらしかった。
取引先のパートさんは「多分、◯◯さんはモテるよ~」とは言っていたが純粋に運動不足を心配してのお誘いだった。
初日はジムのスタッフさんから利用方法や目標設定などで1人にならなかったので何事もなかった。
翌週、一人でジムに行くと一気に視線が刺さる。
遠くで「えー!ちょっとよくない?ほどよい!」とか聞こえてきた。
早速品定めされているようだった。
とりあえず腹の贅肉を落とす為、腹筋周りのトレーニングをしていた。
僕が使っている器具の横に早速トナラーが来た。
どこかのグループの特攻隊長。
後で知ったがそのグループの一番若い人で年齢は42歳だそうだ。
「初めてですか~?お一人で?何かわからないことは?」と質問責め。
ある程度話して僕がフリーの新会員とわかると、特攻隊長はボスに報告の為離れた。
少しするとそのグループのボスであろう、身体の引き締まったエレガントな女性が声をかけてきた。
このジムでは入会年数とかで上下関係が生まれている様だが、男会員は関係ない。
「さっき仲のいいメンバーから聞いたんですが、お一人でしたら私と一緒にトレーニングしません?ちょうど腹筋周りのメニューするところで。」
その女性は50手前といった感じだから妖艶だった。
距離をおいで見ている他のグループは「またあの人が!」とか「先を越された」と言う様な顔で見ていた。
その視線がどうやら優越感に浸れるのだろう。
初対面のはずなのに、ありえないほどのスキンシップだ。
恐らく「若い男性と話すマウント」とでも言うのか、僕がデレデレしているのも良いらしい。
言われるまま一緒にトレーニングをした。
大きなゴムボールを左右に振ったり、ゴムバンドを持って腰を捻ったり、腹筋したり。
2時間くらいやってすっかり仲良くなってしまった。
「次、また会ったら一緒にトレーニングしましょう」
と約束されジムを出た。