娘の出産祝いのお返しを選びに百貨店へ
日常使うお皿などが良いと妻から提案があった
店員さんは細身でメガネをした清楚な感じの齋藤さん
高そうなブラウス、ふんわりしたスカート
俺より年上で40歳位かな?
市内は宅配無料ということなので、後日リストを作成し
仕事帰りに一人で百貨店へ行った
終始、上品な笑顔で対応してくれた
その後は、お祝いをもらう度いちいち店へ
俺はいつの間にか齋藤さんを好きになっていった
少しずつ会話もするようになった
7月に伯父さんの3回忌があった
そこで、また親戚からお祝いをいただき
その足で店に寄ると
「ご無沙汰しておりました。また、追加ですか」
閉店時間も迫っていたので、バタバタしていた俺
「大丈夫ですよ。従業員出口から外に出れますから」
フロア責任者と思われる男性から声を掛けられた
領収書と宅配伝票を渡され、俺は齋藤さんと一緒に出口へ
「もし、良かったら一緒に軽くどうですか?」
「え?私と…」
「妻が実家に戻っていまして、家に誰もいなくて」
どうでもいい嘘だった
「一人のご飯は寂しいものね」
想定外の返事に俺はドキドキしてしまった
一緒に呑んだビールの味も正直覚えてなかった
その日は軽く呑んで、駅で別れた