酒を飲んだ際に、酔っ払って一夜限り…みたいな事は何度かあった(全て熟女)。
しかし、酒も飲まず、素面でやってしまった事は今回が初めてだった。
50歳のしがないサラリーマンです。その日は出張で東北方面のとある街にいた。仕事が以外と早く終わり、ホテルのいチェックインし、私服に着替えて小さな街を散策していた。
駅から少し離れたスーパーの入り口に珈琲が飲める小さなスペースで珈琲を買い、飲みながらスマホでこの街の事を検索していた。
時間は14時半頃。客はまばらで、このイートインスペースには私だけだった。
夜の飲み屋の事を検索していると、一人の女性が近づいて来るのがわかった。歳の頃50代後半から60過ぎの中肉、メガネを掛けたのび太君ママ風。
「あの~、〇中さんですか?」私の名前が〇中であったため「そうですが?」と答えると「良かった…もう来てくれないと思っていました…」「??」「お時間、あまりないので…行きましょう」と。
???何の話し?おばさんは振り返りながらスーパーの出口方向へ。珈琲をゴミ箱に捨て、おばさんの後を追う。
誰か他の〇中さんと間違えている。頬を赤らめていたから、初めて会うのか?出会い系?などと考えながらおばさんを追う。
駐車場に停めてあった、シルバーの軽自動車のロックを解き、「どうぞ」と。
間違いですよ…と言おうと思ったが、面白ろそうなのでそのまま助手席に乗った。
「…はじめまして。美紀です。時間もだいぶ経ってるので、もう会えないのかと思ってました…」
おばさんパーマで眼鏡、スラックスっぽいズボンとセーターの上にダウンベストを着た、本当に地味なごく普通の主婦のようだ。
「お話ししてた場所に直行してもよろしいですか?」「ええ…」街から少し離れた山間の方へ車を走らせた。「こんな事、初めてに近いので緊張します…」とまた頬を赤らめています。
車がほとんど通らない山の麓にひっそりとラブホが見えてきました。木々に囲まれて
薄暗い所に少しばかりのネオンがきらめいていました。スッと車を入れ、ガレージ式になっている駐車場に車を停めました。手慣れた様に外のボタンを押すとシャッターが閉まります。
「…着きました…」本当に小さな声で囁き、下を向いて頬を更に赤めています。
状況はわかりました。SNSだかで男とあのスーパーのイートインコーナーで待ち合わせをしていたのです。アバンチュールです。
地味な、真面目そうなおばさんが男を求めて、自ら車を運転し、ラブホに入るという、何とも色っぽい状況だったのです。
私はばれるまでこのままでいようと決めました。
ガレージから2階の部屋に行きました…