自分は昔から熟女が好きでした。
人妻が好きでした。
切っ掛けは従兄弟の妻、はるみさん。
従兄弟と言っても2回り以上歳は離れ、自分が産まれた年に結婚したと小さい頃より聞かされていました。
相手からしたら本当に子供でしかなかったのでしょう。実際に子供たちとは年も近く、兄弟同然に接してもいましたから……
しかし年を経るにつれ、自分はいつしかはるみさんを思う様になっておりました。
はるみさんで性に目覚め、はるみさんで果てる日々が続きました。
そんな気持ちを知ってか知らずか、その頃は妙にからかわれたものです。
美容室へ行くとなれば「帰ってきたら惚れ直す」
朝の目覚めの話では「ベッドに潜って起こしてあげようか?」
従兄弟不在の日に自分が泊まる事になれば「いやーんこわーい」
昔の話になれば「若い頃に会っていたらあんたは私に惚れていた」
既にはるみさんに惚れていた自分からしたらおかしな話でしかありません。若い頃に合わずとも……と何度心の中で反論した事か。
どれもほんの冗談に過ぎなかったのでしょうが、思春期の自分には刺激が強く、半ば本気にしてしまった事を覚えています。
いつかきっと思いを告げ、思いを遂げる日をと祈り続けていましたが、従兄弟にも世話になり子供達とも仲は良く……
周囲を見渡せば思いを告げる事すら出来ませんでした。
せめて子供達が成人するまでは、というのは自分に対する言い訳だったのかもしれません。
いつかきっと、という逃げ道に過ぎなかったのかも。
そうしている内に時は過ぎ、子供達が大きくなれば中々会う機会もありません。
疎遠になりつつある中、末の娘も成人し言い訳が無くなってしまいました。
依然として従兄弟に対する恩義はあります。
それでも思いを告げたかった。
或いは聞いて欲しかったのかもしれません。
結果は玉砕、とすら言えない惨状でした。
否定され、今後の接触も控えるようお叱りを受けました。
相手からしたら目を掛けてきた恩を仇で返す様な仕打ちです。当然の結果。
その程度の事にすら気付いていませんでした。
何もかも遅すぎたのかもしれません。
何もかも間違っていたのかもしれません。
もしもあの日に帰れたら、どの日に帰るのが正解かもわかりません。
あの日に帰れない今思うのは、今一度直接会って話がしたい。
ただ、それだけです。
長文、失礼しましたです。