芳香漂うワインの様な濃厚な濃密な体臭を…最近はすれ違う時にしか嗅ぐえない利恵子…
午前中しっかり堅く励む事務仕事に使用したデスクとイスを上履がボールペンが
僕の様なマゾヒストには最愛の御褒美だ。
平日の昼休み、皆お昼ご飯に帰ったり外食に出たり…僕は留守番で事務所で一人弁当だが、変態マゾヒストには利恵子様が使用した机に挨拶をし下半身裸になり机の下に潜り椅子の微かに温もりの残る座布団に顔を埋め深呼吸をし…肺に利恵子様の体臭を溜め!息を止め…肺胞から全身の末端迄の毛細血管に迄…利恵子様の体臭の成分が行き渡った事を確認してから、再度生き返っる様に深呼吸を繰り返し利恵子様と一体になれた様な幸福感を満喫し、息を止めた時間だけ死んだ我が脳細胞が発する求める生への電気信号が変態マゾヒストが目覚め、満月の夜の狼男の如く蘇り野蛮な牙をむき出し涎を垂らす…小声で「利恵子…」微かに唱える…僕は持論でマゾヒストは性癖では無く愛を伴う生き方だと思っているのに…欲望が納められ無い時だけ一人で小さくなって不潔な私の精液を利恵子様の上履に吐き出し、ホンの数分の幸福感を味わい…狭い机の下から抜け出し、暗い事務所の床に二度目の土下座で居ない利恵子様に向ってお礼と感謝と忠実下僕として従う事を朝の御挨拶の様に申し上げると心の底から震えながら涙が出る…精液をしぼり出す瞬間の下品な幸せよりも幸せな心が利恵子に出逢えたこの身の幸福感を息が止まる日まで続く幸福感に感謝申し上げながら、不潔な精液と涎をハンカチを拭き取り誰にも邪魔をされずに済んだと安心する事を思い出し…ズボンを履き身なりを整え数分の変態マゾヒストが社会人でありこのビルの持ち主この会社の経営者の顔に返り事務員利恵子を迎え会社の為!社会の為働く従業員達に笑顔をお客様の役に立つ…社会を構成する歯車に収まる為に…利恵子様が健康で幸せな家庭生活がおくれる為に心臓の鼓動が止む迄…こっそり生きるマゾヒストの生き様