~魅惑の公園~
11月だというのに日中の暖かさはこの日も13度で晴れ時々曇り。
車を公園の駐車場に止めて遊歩道を歩いていると175cmぐらいのリーゼントにした浅黒い色をした東南アジア系の顔をした男性が流暢な?日本語で話しかけてきたのです。
「可愛いですね。色も白くてスタイルもいいですね」と言われたので軽く会釈して足早に通り過ぎました。物欲しそうないやらしい目で私のことを見ていました。今から私は素っ裸になるんです。想像もつかないよね。
お昼少し前にあの変質者に襲われた反対側から一周するというものです。反時計回りに。先ほどの男がいないか確認すると下まで降りていきます。
川の橋の下の部分で制服を全て脱ぎ捨てて上の方を伺います。誰もいないのを確認すると駆けあがります。後ろ手錠の素っ裸です。素足が少しひんやりとした土の感触をつかんで駆け抜けます。やつれてしまって今のサイズは78・54・88です。柔らかい日差しが私の身体をやさしく包んでくれます。左側の遊歩道を見つめながら駆けます。ときどき私の身体をさする風さんも心地いいのです。もう少しで例の道路面に達します。前を見つめてすぐ側を通る車のことを思うと息をのみます。
もう少しでと思って前を見つめていると前から人が来るのが見えました。慌てて左側の草むらまで下りていきました。
しばらくすると上の遊歩道を走る中学生の男子と女子。この近くの中学校の体育の授業なのでしょうか。男の子が「今何かいなかった」という言葉にドキッとしました。
そうです。全裸の女がいたんです。次から次へと通過する中学生たち。もしあのまま構わずに走破しててすれ違ってたらと思うと生唾ものです。黒い上下のジャージの男性教諭が通過しました。
ニアミス感を楽しむなら今だと思って草むらから駆け上がります。右の方を見つめて左の方角へとと進もうとすると数人の女子中学生がこちらに来ていました。私は隠れるどころか男性教諭の後を全速力で目指したのです。
「ああっ、素っ裸、素っ裸。こんなことだめ、いや」。後ろから女子中学生。前には男性教諭。後ろ手錠でなければもっと速く走れるのですが思うようになりません。それでも男性教諭の後ろ姿を30m前にとらえることができました。後ろを振り返ると女子中学生たちが小さく見えていました。男性教師が振り返ったら一巻の終わりです。さらに小さく見えてても裸の女を認識されてたらと思うとたまりません。
「いや、いや。素っ裸、素っ裸よ。私は素っ裸よ」。
身体を反らして首を左右に振りながら素敵な時間を楽しみます。
「ああっ、見て、見て。私の素っ裸見て。あーぁ、いい。感じちゃう。素敵、素敵、素敵、素敵」。
後ろを振り返ると彼女たちとの距離が少し縮まっていました。
「あーぁ、いやっ」。
この時、前との距離が離れていることに気づいたのです。
「いや、だめ。いやよ、いや。いや、いや。私のバカ」。自分の世界に酔いしれて速度が落ちていたのです。もう前に全力で進むしかありません。それでも裸の私が認識されてたかもしれないと思うとゾクゾクしたものが身体中にあふれてきました。まるで見られてることを意識するかのように腰を左右に振って駆けます。
前を見据えて走っていると生徒の列の右側からシェパードを連れた老夫婦が目に入ったのです。私はすぐに右側の草むらまで下りてしゃがみ込みます。草むらの間からうかがっていると女子生徒が怪訝そうな顔でこちらを見下ろしてきました。私は姿勢をさらに低くして顔を伏せます。「お願い、お願い、気づかないで」。
しばらくは顔を上げることはできませんでした。荒い息遣いが継続していますが再び駆け上がります。そして、女子中学生の後を追って駆けだします。まさか直線コースの攻防になるとは予想だにしなかったことです。
最後尾の女子中学生の姿は小さくなっています。前に前に歩を進めて女の子たちの後ろ姿をとらえます。小さいながら女子中学生の姿が認識できます。さっき後ろを振り返ったときはもう少し距離が近かったかなと思うとゾクゾクします。レオタード姿の女だと思ってくれてたのかそれとも。
「あーぁ、素っ裸の女よ。あなたたち私の裸見てたでしょ。後ろからついてきてるの。素っ裸の変態女よ。見てーぇ、私のこと見てーぇ」。
身体を反らして大きく首を振って絶頂感を味わいます。素っ裸ってどうしてこんなに気持ちいいんだろう。オマンコだけの姿を外でさらすときにたとえようのない世界に溶け込むのです。
「あっ、いや」。右側の草むらまで駆け下ります。なんと裸になる前に私に声をかけてきたあの男がタバコをくゆらせていたのです。もしかして私の衣類を取られていたかもしれないと思ったからです。顔は覚えられてると思うし今のこの姿を見られたらどんな展開になるかわかりません。まさかとは思うけど遠くから私が裸になるのを見られていて待ち伏せされてるのなら終わりです。中腰で上の方を見据えます。このまま上まで上がっていったら。いろんなことが頭に浮かびますが声をかけてきた女が後ろ手錠の素っ裸ですぐ近くにいるんです。もし見られていたら私の全てがなくなってるはずです。生唾をのみます。そして、もう一つ頭の中をよぎります。あの生徒が先生にちくってたら私のことを探しに来るはずです。
選択肢は二つに一つです。先生に見つかるこの男に裸を見せて嘆願するか。そうなるとあの男の前に出るしかありません。何一つとして身に着けてない自分を見せたくもなってきています。あのいやらしい目で生まれたまんまの姿を。
「ああーっ」といういやらしい喘ぎ声を出してお尻を突き出します。そして一歩ずつ上の方に歩を進めていきます。
上まで到達するとあの男の後ろ姿が橋の近くまで行って、左の車の通りも少ないマイナーな道路の方に歩いていたのです。
私は我を忘れて駆けだします。
「いや、いや。待って、待って。私は裸よ。あなたがいやらしい目で見ていた女が裸なの。あっ、あっ、男、男。ああーっ、ああーっ。あ、いや、いや」。
橋のところまできて左に曲がって男の後を追います。もし人や車が来たらどこも隠れるところがありません。それなのの私の足は男を求めて前へ前へと進んでいきます。もうこの時、男を追い越してやろうと思っていました。後もう少しというところで100m先から車が来たのです。
急ブレーキをかけて引き返します。もう必死です。狭い道路なのでスピードも出ないのが幸いしたようです。何とか橋の下まで逃れることができました。あの車のおかげで私の思いが打ち砕かれたのです。全裸の女のお尻を見られて私の全ても見られたかったのです。その時の展開が頭の中をよぎるとたまりません。裸ってホント気持ちいい。