連れ出されると同時に、母親の悶絶する声が聞こえる。
老婆は私の耳を塞ぎ
「聴くんじゃ無いよ」
と言って来る。
広い板の間が有り、台所の横に小さな和室が有る。
そこに入れられた私。
「もう暫く、ここで静かにしてるんだよ」
老婆が言う意味が直ぐに分かった。
足音が聞こえた。
障子の中辺りに狭いガラスが填められた障子戸、そのガラス越しに、裸のまま手で前を隠すようにしながら母親が急ぎ足で通り過ぎる姿が見えた。
「身体を洗いに行ったんだよ」
老婆が小声で言う。
直ぐ後に床を軋ませ、男の人も部屋の前を通り過ぎる。
老婆と私は息を潜め部屋に籠る。
やがて裸のまま母親は男の人に肩を抱かれるように風呂場から、私がいる部屋の前を過ぎて行く。
母親は、まさか私が居る事など知る筈もなく、再び座敷へと入って行く。
あまりの衝撃に顔を上気させ、ボーッとする私に向かい。
何で、こんな状況なのかを話し始めた。
男の人は老婆の息子であった。
母親と息子の関係が始まった原因は、母親が老婆に借金を申し出た事が始まりらしい。
借金の理由は、父親の稼ぎと内職の稼ぎだけでは生活が苦しく、私に辛い思いをさせたくない…との事で借金も父親には黙ってらしかった。
何時まで経っても、その借金を返せる状況にもなく老婆も息子も返せる時が来れば、その時にと母親には言っていたらしが、借金を返せない代わりに私を…と母親が自分から申し出たらしい。
息子には奥さんが居たのだが、結婚をして間もなく重い病気にかかり、何年かの闘病の甲斐もなく亡くなったとの事。
母親の申し出に息子も躊躇ったらしいが、結局、息子も未だ若く欲望を抑えられなく成ったらしい。
最初は一度だけの筈が、二回…三回と成り何時しか今に至ってると話す。
今では息子が休みの日には必ずに成ったみたいで、息子の休みは平日で、誰にも気づかれる事なく暫くの時間、老婆さへ耳を塞いで居れば良かった。
老婆の話を聴きながら、幼心に母親に対する怒りと、逆に哀れさも覚えていた。
打ち拉がれながら帰ろうと部屋を出ようとする私に、老婆は念を押すように、誰にも言うんじゃ無いよ…と言う。
うな垂れるように頷き部屋を出て勝手口に行こうとした時に、再び座敷の方から母親の悶える声が漏れて来た。
その声を聴いた瞬間に、また私の足が固まったように動かなく成る。
怒りと嫉妬心…それと初めて覚えた興奮の感覚が身体中に湧き上がってしまう。
その様子が老婆に伝わったのか
「もう一度…?」
私に言う。
老婆に連れられ再び襖の陰から母親の様子を眺めた。
息子の股間に顔を埋め頭を動かす母親…顔が浮き上がる度に息子の隆々とした物が姿を現す。
気が付くと老婆の息が粗く成っている。
※元投稿はこちら >>