直感的に、この前と同じ事が始まると感じた私は母親の言葉に無言で頷く。
母親はケンジを和室に案内をすると、私の方をチラリと振り返り無言で「早く家から出なさい」と言いたげな表情を見せ、和室に入ると後ろ手で襖を閉める。
シーンと静まり返る家の中、私は居た堪れず家を出ようとした時に襖の向こうから母親の微かな声が漏れて来る「未だ駄目よ、子供が居るわ」
カサカサと畳みに擦れる音と母親の押し殺した声。
「○○君の所に行って来る」
私は、力無い声で言う「気をつけて行くのよ、ゆっくり遊んでらっしゃい」
襖の向こうで母親が言う。
私は精一杯の抵抗のつもりで玄関の戸を閉めた、外に出た私は本当に友達の所に行こうか迷っていた、でも母親の様子が気に成るのと同時に母親の、この前の姿を見てみたいと言う淫らな気持ちが交錯して私の足は、この前と同じ庭の方に向かってしまう。
縁側と和室境の障子は閉め切られ中の様子は伺う事は出来なかった、私は何としても見たいと言う感情が沸き上がり、台所の開け放ったガラス戸から足音を忍ばせ和室に近づいた。
私が遊びに行ったと思い安心して居るのか、小声だが中の会話が聴こえて来る。
「こんな事を続けてると今に誰かに知られてしまうわ、もう終わりにしないと」
「俺は絹代を離したく無いんだ」
「そんな無理を言わないで、私には夫も子供も居るのよ、ケンジさんは私なんかより早くお嫁さんを貰って」
「絹代が何と言おうが今では絹代は俺のものだし、絹代が居なく成るなんては考えた事もない」
「アァァ!お願い、そんな無茶を言わないで」
「絹代だって俺の事が忘れられないだろう!ホラ、絹代のここだって離れたくないって言ってる」
「アァァ!駄目ェ」
「絹代のここは駄目とは言って無い、こんなに濡れて俺を欲しがってる」
「アァァ…」
私は襖の向こうで聞き耳を立て子供ながらにも激しく興奮をしてしまって居た。
襖の向こうを垣間見る事は出来ずに、飴を舐める様な音が響き肌がぶつかり合う音、畳が擦れる音、母親の泣き声の様な響き、母親の名前を呼び唸り声を上げるケンジの声。
一時間ぐらい私は襖を境に座り込んで居た。和室で立ち上がる気配がして私は慌てて、その場から逃れようとした、襖がスーと開く
「お前、何時からここに」裸のままワンピースで前を隠した母親が言う。
「まさか!ずっとここに居た訳じゃ」母親の顔色がみるみる変わって行った。
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