「安本!頑張れよ?初めて経験したらいきなり男っぽくなりやがって、生意気だ」
美穂さんは俺の胸を拳で叩きました。
「二度目は間違い絶対起こさないから、よろしくお願いします。孝史さん(それまでは安本君)の赤ちゃん、産ませてもらいます」
事の次第がどうなるか、報告があるまで、俺の相談を胸に秘めていてくれた社長の奥さんに、結婚しますの報告をしました。
僅か十二人の社内が、変な盛り上がりをしてました。
金がないから式はしないと両親に言うと、爺ちゃん婆ちゃんは曾孫見れると喜び、式の大半を出すからやれと命令されました。
美穂さんの連れ子、息子さんは、孝史兄ちゃんがパパになるってのが、イマイチ理解出来てないようでしたが、いつでも遊んでもらえる、ただそのことだけ嬉しいようでした。
美穂さんは社員では会社に迷惑かけると、社員からパート事務へ、その代わり時間に自由が増え、家計も助けられました。
初体験で相手を妊娠、たった二日のエッチで結婚、しかも安定期に入るまでお預けくらい、お腹が大きい美穂さんの手解きを受けながらエッチ、新米パパは息子さんとも遊び、お腹の中の我が子の成長も見て、ダメ社員返上のため日々頑張りました。
社長の奥さんのバックアップにも報いようと必死でした。
紆余曲折の末、産まれた男の子。
初対面で看護師さんから言われました。
「お父さん、そっくり過ぎてびっくりですよ~、ここまでそっくりさんはあまりないですね~、よほど血筋が濃いんですね」
笑われました。
そりゃそうです。
初体験で出来た子、濃厚なやつが出たんでしょうから。
今俺、二十四才です。
美穂さんは三十六才です。
まだまだ社会人としても、パパとしても、美穂さんの旦那としても若輩者です。
最近美穂さんに言われました。
「子供達のパパとしては、真面目で一生懸命な性格で満点なんだけど、こっち(エッチ)はまだまだね」
美穂さんは俺に初体験させてくれた日に飲んだビール、それ以降は一切飲まなくなりました。
「あの時も飲んで、間違いを犯したから。その結果が今の生活なんだけど」
そう言って笑いますが、俺も飲まないせいか、美穂さんも飲みません。
そして最近の美穂さんの口ぐせ。
「我が家、野郎ばっかりだから、次は女の子がいい」
四十前にあと一人、女の子が希望みたいです。
俺、もっと頑張らなきゃ、子供達とのこと、仕事、夜、若さを取り柄に頑張ります。
ありがとうございました。
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