追加が遅れまして、大変すみません。
確かに美穂さんリードで行われた童貞卒業儀式でした。
でも俺だって妊娠の可能性を知らないわけではないし、美穂さんもそれは同じで、それでもあえて美穂さんは中に出されることを、避けなかった。
責任を美穂さんに任せようと思えば、可能でしたが、俺には出来ませんでした。
産むという選択肢がないのか、俺は美穂さんに訪ねました。
「離婚した経緯、息子のこと、年齢的なこと、まだ離婚して三年ほどしかたってない。それに安本君、君は私や息子、新しい子を養えるの?君にその覚悟がありますか?現実、無理でしょう?」
それが美穂さんの答えでした。
でも俺は引き下がれませんでした。
「美穂さんは俺とセフレみたいな考えで、それとも俺が可哀想だからしたんですか?」
美穂さんは違うと即答しました。
真面目で一生懸命な君に、報いてあげたかった、その純真純朴な君の気持ちが嬉しかったと言いました。
俺は思ったままを口にしました。
「新しい命に罪はないんです。罪があるならうかつなことした俺達だと思うんです。俺が若くて、給料安くて、大変でも、その責任を放棄して命を潰すってのは、どうかと思う」
現実論を語る美穂さんと、倫理的な論理の俺、話しは少しちぐはぐでしたが、美穂さんも、できればおろしたくない、その気持ちは確認出来ました。
でも妊娠出産となれば、美穂さんは仕事が出来ません。
仮に結婚しても、俺の収入だけでは、息子さんとかに不自由させるだけです。
所詮は二十一才になったかならないかの若輩者です。
俺が取った行動は、環境を作ろう、でした。
俺は社長の奥さんに、ことの成り行きを話し、相談しました。
凄く驚かれていました。
おろすおろさないの話しもしました。
すると社長の奥さんは言いました。
「出産育児を理由に退職させてはならない法律があるの。安本君の収入だけでは今は大変。ならば無理なく働きながら、産めばいいの。私はバックアップします。社長や専務にも私から話し通すから、任せない。あとは君次第だよ」
社長の奥さんの後ろ盾得たのは強みでした。
俺は美穂さんにそれを話しました。
すると美穂さんは、一気に産みたい、その流れになりました。
俺も覚悟決めました。
「今はうだつ上がらない若輩者だけど、頑張って今の仕事続けるから、すぐそばで見守ってほしい。結婚して下さい」
すると美穂さんは、ちょっと潤んだ瞳で言いました。
※元投稿はこちら >>