「見たい?」
少し考えたけど苦笑いで「やめとく」とこたえました。
「部屋戻ってるね」
「おう」
部屋に戻ると、服を着たいぬも戻って来ました。
「クラスの奴らに言うなよ」
「言えるわけないじゃん」
「言ったら、ねこがエロい事もバラす」
「エロくないし」
「覗きにきたじゃん」
「うん、まぁ。ちょっと興味あるよ」
「何だちょっとか」
「ちょっとで悪い?」
「悪くないよ」
「いぬはキスとかした事あるの?」
「ないよ」
「私もー」
「一緒じゃん」
いぬは笑いました。
「キスってどんなんかな?」
「さあな」
「キスってどんなんかな?」
「しつけー」
いぬは、また笑いました。
「だって興味あるもん」
私は、キスしてみたいと思ってました。
いぬの事が好きだった訳でもなく、いぬなら安心みたいな気がしてました。
「キスする?」
「はぁ?お前何言ってんの?」
「嫌ならいいけど。すんません。嫌ならいいです」
「最後、敬語だし」
「だって嫌なんでしょ」
「別に嫌じゃないよ」
「嫌じゃない?」
「嫌じゃないよ」
「どうしたらいいのかね」
「茶化すなよ。こっち来いよ」
ズリズリと膝で歩いていぬの横に行きました。
ドラマや漫画で何回も見てきたキスシーンを思い出し目をつぶりました。
ムニュ、ムニュ、ガチンッ
「痛っ」
「あ、ごめん」
一瞬何が起こったかわからなかったけど、後で歯がぶつかったとわかりました。
「うまく出来なかったな」
「だね」
私は急に恥ずかしくなり、家に帰る事にしました。
帰り道でキスしたのお母さんにバレたら嫌だなーと心配したけど大丈夫でした。
私の中のハードルが下がりました。
キスたいした事ない。
こんな思いになりました。
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