「そんなに酔ってないから大丈夫だよ、からかっただけ」
目は充血していたし、少し目もトロンとしていたが平気だと言う。
「ヒドイですよ先輩!マジで吐くかと思ってドキドキしてましたよ!」
「ゴメンゴメン!ジュニアが送るってなったらオロオロしてて面白かったから」
心配して損した…と思いつつコーヒーを開けると「頂きます」と言って一口飲んだ。
「むつけちゃって~!怒んないの!」
とか言いながら突いて来る。
やっぱ酔ってんじゃないの?と思いながらも「怒ってない」と返した。
「あたしさ~、何でバッチョか知ってる?」
突然聞かれた。
人格が×だからですよね?とは言えないので知らないと答えた。
「最初はバイチョだったんだよ~…でね、なんでバイチョかって言うとバイセクシャルで女の子ともチョメチョメするから!」
と教えてくれたが、驚いた。
またからかってんの?と言う感じ。
「そうなんですか?」と聞いてみるとそうだと答える。
童貞で奥手の自分は驚くばかり、バイセクなんてTVや雑誌の世界だ。
「私さ~可愛いければどっちもOKなんだ~」
と酔ってるとしか思えない発言だ。
「ジュニアは童貞でしょ?興奮した?」
興奮よりも驚きました…と呟くと先輩はやたらと楽しそうだ。
「あ~!オドオドして赤くなってる!想像したんだ~」
とはしゃぐ。
「取りあえず家に向かいますよ」
と言い再び走り出した。
「どっちですか?」
道が分かれる度に聞き、民家も少ない場所へと来た。
一人で帰れるかな~と心配してるとやたらと明るいホテル街へと入った。
「どこに入ろうか~?」とニヤニヤしながら先輩が言った。
冗談だと思いアハハと笑ったが、先輩は「じゃああそこ!」と一件のホテルを指差す。
当然スルーした。
「ちょっと!何で通り過ぎんの?止めて止めて!」
え?シャレでしょ?と思い「冗談ですよね?」と聞いた。
「え?本気だけど?じゃああっちで良いよ、もう18だよね?童貞は早く捨てなよ、それともあたしが駄目なのかな~?」
判断に迷う。
というか性欲はあるから入りたいが先輩の真意を掴めない。
暫く黙って考えていると「迷う位なら入れ!男でしょ?」と言われ勢いで入ってしまった。
結局部屋へとそのまま入った。
「ラブホ初めてだよね?」
「…ハイ」
と借りて来た猫状態。
先輩はさっさと風呂へ行き準備を開始、俺はソワソワと意味無く部屋を歩いていた。
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