私と冴子は普通の夫婦ではない為、結婚式は挙げていなくて、新婚旅行もしていません。
その代わりに私たちは次女が生まれた年の秋、娘たちを連れて旅行に出掛け、その夜、私と冴子は改めて夫婦として愛し合う契りを交わして、二人だけの結婚式として、1年半遅れの新婚初夜を過ごしたのです。
一回り、12歳しか年齢が離れていないせいか、引っ越した地域で私たちは他人から年上の妻と年下の夫として見られる事はよくあっても、義母と婿として見られた事は1度もありません。
長女の両親も次女の両親も、また、私の友人夫婦も亡くなった冴子の友人夫婦も私たち同様、引っ越し先では義理の親子に見られた事はないとか。
私と冴子の夫婦生活はいつのまにか、お互いに前の伴侶と夫婦として暮らしていた時期よりも遥かに長くなっていて、今ではかつてその昔、自分たち二人が義母と婿だった事が嘘であったかのように思えて、戸籍上は夫婦でない事も忘れてしまいそうなくらいです。
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