披露宴が始まった。
扉が開き、新郎新婦の入場。
幸せいっぱいの二人、笑顔で歩き始めた時、俺はリモコンのスイッチを入れる。
静香の身体がビクッと震え、兄貴の腕にしがみつく。
会場からは、緊張し過ぎだと、いきなり転けた花嫁に笑い声と共に冷やかす声が飛ぶ。
さすがドマゾの静香だ、満面の笑顔で手を振って返す。
リモコンのスイッチをいきなり強で入れてやったのに、兄貴にしがみついたまま、ヨロヨロと歩いて行く。
兄貴になんて言い訳してるのか、考えただけでもっと虐めてみたくなる。
そんな事を思いながら、スイッチの強弱で遊んでいたら、静香が横を通り過ぎる時、思い切り俺の頬をつねっていった、耳元にバカと囁いて。
普段から、本当の姉弟のような仲の良さを周りも知っているから、そんな事をされた俺を笑いが包む。
ちょっと恥ずかしさ感じた俺は、大人げなく静香に仕返しをした………スイッチを最強にしてやった。
一瞬ビクッとして、だがそうされる事を予測していたのか、静香は全く動ぜず席に着いた。
※元投稿はこちら >>