今日は家族写真を撮りに出掛けた。
新しい家族と撮る初めての機会に、気持ちも昂っていた。
(別の事情もあったけど)(笑)
「もし、見たかったら、覗き見しても良いからね」
と父に耳打ちした。
母が私に気を遣って後ろを向いてる隙に、私は襖の隙間から覗いている父の前で裸になった。
もう何度も見せてる身体。
それでも恥ずかしさを感じて、興奮した。
(お父さん、あなたの娘です)
と、心の中で唱えながら、長襦袢を羽織った。
「お母さん、着たよ」
「え?下着を着なくて良いの?」
「うん、トイレに行くのも面倒だし、着崩れするのも嫌だから、このままで良いよ」(笑)
「ふぅん、今どき珍しいわね?」
実の両親に成人式の時に買って貰った振り袖。
数年前に会社の初出社に着てから、洗い張りしてしまっていた思い出の着物。
多分、私が振り袖を着るのは、これが最後になるだろう。
(次に着るのは、姪かな?)
と妄想した。
着付けは、自分でするより、プロに委せるのが一番。
ノーパンだから、帯の高さもキレイに決まった。
例年なら、今日は成人の日で、写真館も混雑しているはずだけど、今年はイベント中止の影響で、キャンセルした新成人で、貸切り状態だった。
最初に三人で撮影し、私、母、父の順で個別に撮影した。
「私は、遺影用も撮らないとな」
と、父は言ったけど、母も私も黙っていた。
それは冗談なんかじゃないから。
真顔で撮影している父に
「笑った顔も撮りなよ」
と言ってみた。
「遺影で笑顔は、おかしいだろ?」
そう言った瞬間にシャッターが鳴った。
「お母さん、見て!」
「これで良くない?」
「奇跡の一枚」が撮れた。
「そうね。これは良いわ」
モニターに写った画像の中でも、最高の表情に見えた。
「ねぇ、せっかくだから、もう1回三人で、笑顔の家族写真を撮って貰おう?」
と、私は提案した。
全部で100枚近く撮影して、家に飾る分と小さいサイズの分を、その場でプリントして貰い、データをコピーしたCDを受け取った。
帰りにレストランで食事した。
貸切りではないので、他の客は私たちを珍しそうに見ていた。
「成人式の帰りに見えたかも」
「まさか、私、いくつだと思ってるの?」(笑)
「馬子にも衣装よ」(笑)
と、冗談を言いながら楽しいディナーを過ごした。
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