午前中、姪や義妹の好物のスイーツを買って、弟夫婦の待ち構えている敵地へ向かった。
大口取引先へ行くより緊張していた。
チャイムに応対したのは義妹だった。
「お休みなのに、押し掛けてきてしまって、ごめんなさい」
「いいえ、こちらこそ、大切なお話に加えて頂けて嬉しいです」
「じゃあ、これも」(笑)
「うわぁ、私が好きなの覚えてくれてたんですね?」(嬉)
「もちろん、入って良い?」
「はい、こちらです」
義妹は味方につけた。
弟に口論で負ける気はしなかったけど、味方は多いほど心強い。
「おはよう」
「あぁ」
私が挨拶してやってるのに、生意気な態度で返事をする弟。
義妹は私の手土産を、キッチンで取り分けているらしく、コーヒーの良い香りに、気持ちも落ち着いた。
「養子の件だけど、」
と話を始めようとしたら、遮るように、
「もう、決めた事なんだろ?俺が一人で何を言っても無駄なら、もう良いよ」(怒)
「お姉ちゃんの好きにしたら良いじゃん」
「あんた、それで良いの?」
「仕方ないよ。お姉ちゃんだって、いつまでも独り暮らしって訳にはいかないだろ?」
「まあね、実家の部屋も、アナタ達に取られちゃったからね」(笑)
「そんな事いうなよ!まるで、俺達が姉ちゃんを、追い出したみたいじゃないか!」
「さぁね(笑)でも二人と子供達がいたら、あの家も賑かになるし、私も安心だよ」
「ごめん、姉ちゃん」
「やだ、何で謝るの?」
(やばい、何だか泣きそう)
「俺、今まで姉ちゃんに甘えてばかりだった。自分の事しか考えてなくて、」
(声が詰まった)
「今度、息子が生まれるんだ。俺もオヤジとして、息子に恥じない父親にならないといけないんだ」
嬉しかった。
立派な決意表明を聞いて、思わず感動した(嬉)
義妹も傍らで、もらい泣きしていた。
良かった。
こんなに立派な男に育ってくれて。
誇らしくて、心から自慢したくなった。
その後は、姪の話や実家の話、義父の病院の話をした。
手術までの間は、家族も1日30分の面会で、当日も家族は手術の間いられるらしい。
コロナ禍という特殊な状況だし、1日も長く父には長生きして欲しい。
できれば、私が産む子供にも、会わせてあげたい。
そう思った。
※元投稿はこちら >>