除雪はいいのだが、義母と二人で数日を過ごすのは
初めてだった。お互い遠慮もあり緊張もあった。
遠慮も緊張も解させてくれたのもマッサージと
私の適当なうんちくだった。
『歩くようにしている』という義母のため
足のケアもするようになっていた。
腿、膝、脹脛から土踏まず。
回を重ねると仰向けになった義母の足を折り曲げ
股関節を中心に回転させ柔らかくし、曲げた足を
腹部の方へ付ける。これを片足ごとにやるため、
多少だがジャージがズレ下着の一部が見えることも
あった。
直接ではないにしても義母のカラダを触り続けて
いることで双方に親近感が湧いてきたのも事実だった。
適当なうんちくとはいえ、カラダに効果が現れると
義母の中で私の行為が正当化されていく。
また雪のシーズンがやってきた。昨年同様年末に
家族で実家に行き除雪シーズンが始まった。
「こうちゃん、お母さん老けたよね?一人で
寂しいのかな?」
「お義母さんって甘えん坊だろ、一人は辛いかも」
「こうちゃんも甘えん坊ってわかってたの!?」
「そりゃ10年も付き合ってるからね、お義母さん
っていくつ?」
「私が34だから56よ」
「俺と19歳の違い!まだまだ老け込むの早い
よなぁ~」
「あと30年は頑張ってもらわないと…」
「いや40年だな…。俺がカラダのケアすれば
いける!目標100歳!」
「そうだとうれしい~」
「今月は木金の休暇を二回貰ってるから、雪も
そうだけど、カラダのケアを一人でも出来るように
教えてくるよ」
一月は水曜日の仕事終わりに実家に向かい、
日曜の午後自宅に戻る計画だった。
作業は午前、午後それぞれ2時間ほどで終わる。
初日だけプラス1時間か。
午後の作業が終わると必ず一番風呂を進められる。
交代で入る義母に「ゆっくり温まってくだいよ」
と声をかける。
洗い髪でジャージ姿の義母がリビングに顔を見せると
マッサージの始まりだ。
いつものように始まり、首からつま先まで揉み
ほぐす。
揉みながら56歳かぁ~、と思うと義母に対する
別の感情が私の中に湧いてくるものがあった。
いつもなら腿の深いところまで揉むことはなかっ
たが、意識的に股関節近くまで手を伸ばし、力を
入れて一気に膝まで下げる。これを何度か繰り返
していると、ジャージが下がり下着が見えてくる。
「お義母さん、足の方はどお?歩いてて苦痛を
感じない?膝とか、股関節が痛むとかない」
「そう言われる、今日の雪かきは楽だったわよ」
「筋肉が付いてきるからね」
「え、そうなの?」
「腿裏はとくに…」
「そこ気持ちいいーー」
「ちょっと手伸ばすからねぁ~」
義母に声をかけながらお尻の際まで手を伸ばし
揉み解す。
「あ~~、そこそこ…でもちょっと恥ずかしいよー」
「恥ずかしいよね~、でも我慢してくださいねぇ~」
こうして股関節を一通り押し仰向けにさせる。
仰向けになった義母のすねわきから始め膝、腿
と手を進める。
義母の足の間にカラダを入れ両腿同時に揉み始め
股間近くまで進め膝に戻す。それを何度か続け
義母の足をかえるのようにし、鼠径部に圧迫
を加える。
「あ~~~、だめだめ、気持ちよすぎ!
恥ずかしいけど…気持ちいいーー」
「骨盤底筋だなぁ~」
「なにそれ?」
「ちょっとごめんなさい」
と断りを入れて説明すると
義母は頷きながら聞いている。
「お産のとき会陰部マッサージって
やってたでしょ?」
「会陰部マッサージ…?」
「そうここ」
「きゃぁ!」と小さい声をあげた。
「ごめんなさい、今とこが会陰部」
「それなら進められてしてた」
「つまりお尻の穴から尿道あたりまでを
支える筋肉のこと」
「……」
「女性には前立腺がないから尿道が短いん
ですよ、その関係で骨盤底筋が衰えると
頻尿になりやすいんです」
「そうなの?あの娘に教えて貰ったクランベリー
のサプリ飲んでるけど…」
「クランベリーいいですよ。でもここも衰えない
ようにケアしていきましょう」
実家に
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