前回の続きです。
ユキが30歳になった3年前の春から私たち夫婦のセックスの回数は徐々に減って行き、6年間に渡った私と妻のハードな性獣生活は終わりを告げたのでした。
それまでの6年間はほとんど毎日、体を交えて年に450~500回位はセックスしていた私とユキなのですが、光次朗が小学校に入学した頃からお互いに性欲が急激に減退し、今では主に週末、金曜の晩と土曜の晩に交わっていて、平日は1回しかしない事が多いのです。
回数が減ったと言っても、平日に1回、金曜と土曜は3回ずつが基本的なペースなので、“普通”の夫婦や恋人同士に比べると、私とユキはやはり性欲が旺盛な男女、性獣夫婦である事に変わりはなく、以前の6年間の性獣生活が異常だったと言うべきなのかもしれません。
私もユキも決してセックスが好きじゃなくなったわけではなくて、ましてやお互いの事が嫌いになり夫婦間の愛情がなくなったとか、体の相性、ペニスとヴァギナの結合感が悪くなったとか、相手との性生活に飽きたとかいったものではなくて、私たち二人は今でも強く堅い愛の絆で結ばれていて、相変わらず、セックスが大好きな男女で、回数こそ減っても体を交えた時には以前と同様に激しく濃厚に愛し合っているのです。
お互いに性欲が減退した原因は体調不良や体質の変化、性機能の衰えといった肉体的なものではなくて、セックスの時、私のペニスの勃起度、大きさ、太さ、長さ、硬さ、持続力、射精した際の精液の量、何れも以前とまったく同じで、ユキのヴァギナも締め付けのキツさは変わっていなく、沸き起こる愛液の量も同じなのです。
確かに6年間の性獣生活で体力をずいぶんと消耗して、体に大きな疲労を蓄積していた私たち二人で、30代になったユキは20代の時に比べて体力が落ちて来て、体力にはかなりの自信を持っていた私も53歳になり、さすがに体にキツさを覚えるようになって、3年前の春が訪れようとしていた時期にはお互いにほとんど毎日のセックスが苦痛に感じられるようになったのでした。
それでも、お互いに三度の飯よりもセックスが大好きで、強く深く愛し合っている私とユキは苦痛を感じながらも、しばらくの間はペースを落とさずに交わり続けたのです。
性獣生活の6年間、私とユキはセックス以外の事にはほとんど何も興味、関心がなくなっていて、盆も正月も無関係に年から年中、体を交えるセックス三昧の生活を送っていたのでした。
ただし、私の息子でユキの前夫の光彦と私の前妻で、妻にとっては義母になる(厳密にはすでに“元義母”という事になるのですが)美紀子の命日だけは例外で、その2日だけはお互いの間でセックス禁止日にして、体を交えず、禁欲生活を過ごしたのです。
春を迎え、お互いに性獣生活に苦痛を覚えるようになっていたある日の深夜、私とユキはいつもどおりに激しく濃厚に交わってその夜3回目のセックスが終わった後、向かい合ってタバコを吸っていた時の事でした。
「あなた、辛くない・・・?」
唐突にポツリとそう言ったユキでしたが、私には妻が何を言いたいのかがすぐに理解できたのです。
「ユキも辛いのか・・・?」
私が逆に問い質すと、ユキは
「ええ・・・」
と答えたのでした。
「この6年の間、お互いにちょっと頑張り過ぎたかな・・・」
そう私が言うと、
「そうね・・・ この6年で何回、したかしら・・・? 2000回以上はしたわね・・・ もう3000回近くになるかしら・・・」
とユキはつぶやくように言ったのです。
「よくそんなにしたもんだな・・・ 自分でも驚きだ・・・ おれたちみたいな夫婦、世界中、探しても、あまりいないのかもしれないな・・・」
ユキと同様に私もつぶやくように言ったのでした。
「あたしたち、もしかすると、歴史上、類稀な夫婦・・・ 類稀な性獣男女(カップル)なのかもしれないわね・・・」
そう言ったユキに対して私は
「おれとユキがこの6年でセックスした回数、もしかすると、ギネス物かな・・・? こんなにセックスした夫婦や恋人同士、これまでいたんだろうか・・・? 今年1月に亡くなった元プロ野球のピッチャーのIと女優のYも3年位で多分、1000回以上はしたんだろうけど、おれたちがした回数の方が遥かに多いし・・・」
と言うと、妻は
「あの人たち、IさんもYさんも馬鹿よ・・・ そんなにセックスしながら、3年で別れるなんて・・・ あの人たち、ほんとは愛し合ってなかったんだわ・・・ セックスだけが目的で快楽を満たす為だけで結婚してたのよ、きっと・・・ IさんがYさんに飽きられて離婚したらしいけど、Yさんに捨てられたIさん、なんだか可哀想・・・ ほんとに愛し合ってたら、そんなに簡単に別れるわけないもの・・・ ううん、別れられない筈よ・・・ お互いに相手が愛おしくて、もう一生、離れられない・・・ ずっと一緒にいたいって思う筈だわ・・・」
と真顔で、やや強い口調で言ったのです。
ユキはそう言ったすぐ後、私を真剣な眼差しで見つめて
「あたしたちみたいに・・・」
と付け加えたのでした。
私を見つめたユキの目は真剣なものでありながら、私を愛おしむ情感で満ち溢れていたのです。
ユキにそんな目で見つめられた私は年甲斐もなく、少年のように胸がときめくのを覚えて、私も妻の事が本当に愛おしく思えたのでした。
「そうだな・・・ おれたちはIとYみたいには絶対になりたくないな・・・」
私がそう言うと、ユキは
「あたし、セックスが大好きな淫乱女の性獣だけど、あなたの事、誰よりも愛してるわ・・・ あなたとこれまで数え切れないほど何回もセックスしたけど、セックスだけが目的で性欲を満したい為だけでして来たんじゃない・・・ あなたを愛してるから、淫乱女の性獣になって2000回以上もセックスする事が出来たの・・・ あたしはYさんみたいな事は絶対にしない・・・ あなたを絶対に離さない・・・ 一生・・・ ううん、死んでも離さないわ・・・」
と言ったのです。
「おれもだ、ユキ・・・ おれもユキを絶対に離さない・・・ 死んでも離すもんか・・・ おれもユキを愛してるから、性獣になってこれまで2000回以上もセックスして来たんだ・・・ おれたちはこれからもずっと一緒だ・・・ おれたち二人の愛は永遠だ・・・」
ユキへそう言っているうちに、私は自分の中で感情が一気に昂って来るのを覚えたのでした。
「ユキぃ・・・」
「あなたぁ・・・」
お互いにタバコを吸い終わった後、私とユキは愛する伴侶を呼び合うと、どちらからともなく体を寄せて抱き合ったのです。
そして、お互いの顔をじっと見つめ合うと、唇を合わせ激しく濃厚にキスした私とユキなのでした。
「愛してるよ・・・ ユキぃ・・・」
「愛してるわ・・・ あなたぁ・・・」
キスしながら、愛の言葉を口にし合った私とユキはお互いに精神的な結び付きを強く感じていたのです。
そうしているうちに私はもう1回、愛する妻と体を交えたくなって、
「もう1回、出来るか・・・?」
と訊くと、ユキもそれを望んでいたようで、
「出来るわ・・・」
とすぐに承諾し、私たちはその夜4回目のセックスを行なう事にしたのでした。
「ああっ! あな、たあっ!」
「おおっ! ユ、キいっ!」
正常位で全裸の体を一つに繋げて抱き合い、お互いに歓喜の叫び声を上げて獣のように激しく濃厚に愛し合うユキと私。
私は腰を力強く律動させてペニスで妻の膣内を思いっ切り突きまくり、ユキはヴァギナに渾身の力を込めて私のペニスを強烈に締め付け続けたのです。
「おおっ! 愛してるっ! 愛してるよっ! ユ、キいっ!」
「ああっ! 愛してるっ! 愛してるわっ! あな、たあっ!」
全身を力強く躍動させて歓喜の声を上げながら、激しく濃厚なセックスで愛し合った私とユキでしたが、お互いに肉体的に強烈な快感を覚えていただけではなく、精神的な強い結び付きを感じていたのでした。
「おれはユキを絶対に離さないっ! 何があってもユキだけは絶対に離さないっ! おれは生涯、ユキを愛して行くっ! 死んでも愛し続けて行くっ! 来世、生まれ変わってもユキと巡り合い愛して行くぞっ! おおっ! ユ、キいっ!」
「ああっ! あたしもあなたを絶対に離さないっ! 死んでも離すもんですかっ! あたしは永遠にあなたの妻っ! あなたは永遠にあたしの夫っ! あたしたちは永遠に夫婦よっ! 来世もあなたと夫婦として愛し合って行くわっ! ああっ! あな、たあっ!」
私とユキはお互いの体を力一杯、抱き締めて、悦びに満ち溢れた声で愛の言葉を発して、男と女として夫婦として愛し合っている実感を強く覚えていたのです。
自分たち二人の愛は永遠だと確信して、身も心も完全に一つになって愛し合う悦びを感じていた私とユキ。
正常位からお互いの体を反転させて私の上に妻が覆い被さった女性上位になり、ユキは悦びに満ち溢れた幸せそうな目で私を嬉しそうに見つめて、その顔はまるで天女か女神のような美しさと輝きを湛えていたのでした。
その時のユキの姿は三浦哲郎さんの小説が原作で、加藤剛さんと栗原小巻さんが出演した46年前の映画「忍ぶ川」における初夜のシーンで、主人公の妻の志乃を演じた栗原さんの美しさに勝るとも劣らないもので、私は全身に溢れんばかりの大きな悦びを感じて、そんな妻を幸せで一杯の気持ちで見つめたのです。
「あなたぁ・・・」
「ユキぃ・・・」
ユキは私を呼んで顔を近づけて来て、私も妻を呼ぶと、私たち二人は唇を合わせて強く抱き合い激しく濃厚にキスしたのでした。
「ああ・・・っ! あなたぁ・・・っ! 素敵・・・っ! 素敵よ・・・っ! あなた、ほんとに素敵・・・っ! あたし、最高に幸せ・・・っ!」
ヴァギナで私のペニスを強く締め付けながら、腰を巧みに回転させて、ユキは悦びに満ち溢れた、それでいて、女の色気を感じさせる妖艶な目で私の顔をじっと見つめ、嬉しそうに微笑を浮かべて幸せそうな声でそう言ったのです。
「おお・・・っ! ユキぃ・・・っ! ユキもほんとに素敵だ・・・っ! 最高に素敵だ・・・っ! おれも最高に幸せだ・・・っ!」
私もユキの顔をじっと見つめてそう言って、妻の回転運動の反対方向へ腰を回転させて、夫婦として愛し合っている悦びを全身で感じたのでした。
「ずっと一緒よ・・・ あたしとあなた・・・ ユキと光男・・・ あたしたち二人は永遠に一緒よ・・・ あたしとあなたは永遠に夫婦よ・・・」
ユキは私の両頬に両手を当てて、年上の女性が年下の男性を諭すように真剣な眼差しでそう言うと、自分の唇を私の唇に重ね合わせて強く吸い付いて来たのです。
私もすぐにユキのキスに応じて妻の唇に強く吸い付き、私たち二人は抱き合ってお互いの熱い吐息を感じながら、激しく濃厚にキスし続けたのでした。
「ああ・・・っ! あなたぁ・・・っ!」
「おお・・・っ! ユキぃ・・・っ!」
抱き合ってキスしながら、お互いを呼び合って愛し合っている実感を強く覚えていたユキと私。
性運動によって生じていた快感もですが、私とユキは精神的な強い結び付きを感じ合っていたのです。
女性上位で愛し合った後、体を反転させて再び正常位になった私とユキは抱き合ってキスしながら、女性上位の時と同様に腰の回転運動を行ない続けたのでした。
「おお・・・っ! 愛してるよ・・・っ! ユキぃ・・・っ!」
「ああ・・・っ! 愛してるわ・・・っ! あなたぁ・・・っ!」
お互いに悦びに満ち溢れた声で、愛する伴侶を呼び合う私とユキは幸せの絶頂にいたのです。
その後、体を横向きにして前側位で愛し合った私とユキ。
「ユキぃ・・・っ!」
「あなたぁ・・・っ!」
お互いを呼び合って愛し合っている悦びを感じていた私とユキはその時、この宇宙に生存しているのは自分たち二人だけのような気がしていたのでした。
果てしない広大無辺な宇宙にたった一組しか存在していない男女(カップル)、私とユキ。
生まれたままの姿になり、全裸の体を一つに繋げて愛し合っている私とユキ、二人の愛は宇宙よりも広大なものだと思えたくらいだったです。
自画自賛で自惚れだと思われてしまうかもしれませんが、この時のセックス、私たち二人の愛の行為は「忍ぶ川」の初夜のシーンに匹敵するほどの美しいもので、ユキ光男版「忍ぶ川」と言っても過言ではないと自負しているのです。
4回目のセックスが終わった後、私とユキは体を繋げて抱き合ったままでお互いの顔をじっと見つめ合っていたのでした。
私を見つめていたユキの目は悦びと満足感を湛えた穏やかで優しいもので、私の目に妻の顔は輝いて見えていて、この世の女性とは思えないほどに美しかったのです。
「素敵だよ・・・ ユキ・・・ ユキは忍ぶ川の栗原小巻さんみたいに美しい・・・ いや・・・ 栗原さんより君の方がずっと美しい・・・」
美しい妻ユキを見つめながら、私が自分の正直な感想を口にすると、妻は
「あなたもすごく素敵よ・・・ 忍ぶ川の加藤剛さんよりあなたの方がもっと素敵よ・・・」
と言ったのでした。
「おれとユキは忍ぶ川の主人公の“私”と妻の志乃かな・・・? 加藤さんと栗原さんに代わって、おれたち二人が映画に出てもおかしくないかも・・・?」
私がそう言うと、ユキは
「そうね・・・」
とニコっと笑顔を見せて頷いたのです。
「これからはちょっと回数を減らそうか・・・?」
そう提案した私にユキは
「ええ・・・ これからは回数を減らしましょ・・・ あたしたち、これまでちょっと頑張り過ぎたから・・・」
と答えた後、
「だけど、回数は減っても、する時にはこれまでどおりにね・・・ あたしたち、愛し合ってるんだから・・・」
と付け加えたのでした。
「もちろんだよ・・・ おれたちは愛し合ってるんだから・・・ これからも末永くよろしく・・・ 愛する宇宙一素敵な奥様・・・」
私が笑みを浮かべてそう言うと、ユキも笑顔で
「こちらこそ、末永くよろしく・・・ 愛する宇宙一素敵な旦那様・・・」
と答えたのです。
その夜、私とユキは全裸の体を繋げて抱き合ってままで深い眠りに就き、翌朝を迎えたのでした。
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