美智子と香菜は、料理を始めた。
美代子が手伝おうとすると、三人はゲストだからと言われ、返された…
私は、ちょっと寒かったがベランダにでて、外を眺めていた。
美代子と梨香もベランダに出てきて…
『礼ちゃん、どうしたの、寒いのに』
『梨香、なんかさぁ~凄く幸せな気がしてね』
『私もよ、赤の他人なのに、一緒に住もうなんて、しかもこんな立派なところで…』
『礼ちゃんも梨香ちゃんも、幸せならいいじゃないの、私たちだって、二人に出会って幸せなんだからね』
『香菜と美智子さんは、わかるけど、美代子はなんでだよ』
『えっ、だってぇ~礼ちゃんが、香菜のお婿さんになるから…』
『そうよ、美代子さん。悔しいけど…香菜の物なんですよ』
『そうよねぇ~でも、香菜は私の娘、娘は親の支配下に…』
『あのねぇ~何言っての…理屈が繋がらない』
『いいじゃないの、理屈なんてどうでも』
『美代子さんったら』
『それに家族は、みんな共用しないとねウフフ』
『何が共用だよ。俺は物じゃないんだから』
『まぁまぁ~そんな固いこと言わないの』
私も梨香も呆れた。
寒くなり部屋の中へ…
キッチンでは、香菜と美智子がまだ料理をしている。
その後ろ姿を見て…
『香菜も、大人になったわねぇ~』
美代子が呟く…
すると梨香が…
『こうやって見ていると、美智子さんと母娘のように見える…』
『そうよねぇ、そうだと良かったのに…』
『どうしてだよ』
『だってぇ、ねぇ~梨香ちゃん』
『えっ、私にふる…』
二人は顔を見合わせ、厭らしく笑った。
『梨香ちゃん、また三人でしましょ』
『えっ、恥ずかしいですよ。でも…凄く感じて』『そう~、今度は、お尻も感じさせてあげる』
『おいおい、俺はもう、勘弁だからね』
『あらっ、じゃ~誰か見つけなきゃねぇ~』
三人で、呆れて笑っていると、香菜が…
『どうしたの、何かあったの』
『何でもないから…早く作りはさい。美智子、まだなの』
『もう終わったわ。香菜、テーブルに運んで』
テーブルに料理が並んだ。ほとんどが、和食である…
『梨香さん、一応、家庭的な料理にしたの。和食で良かったかなぁ』
『良かったもなにも…』
言葉を詰まらせてしまい、目に涙を溜めている。香菜が近寄り…
『梨香さん、ここで美智子さんと暮らせば、もう家族とおなじ、梨香さんは、私のお姉さん…』
『香菜…私…ありがとうね。皆さんホントに…』
みんな、感傷に浸っていた。がぁ、30分も経たない内に、場は変わった。
案の定、美代子が…
『ねぇ、梨香ちゃん。初体験っていつ』
『えっ、高2の時…』
『美智子は…あっ、美智子はいいや、知ってるからね。相手もね』
『なによ、どうして知ってんのよ』
『だってぇ、私の失恋の時だもの…』
『あっ、そっかぁ~そういうことか』
私は直ぐに理解した。
香菜と梨香は、お互い顔を見合わせている。
『美智子が、私の彼氏を取ったのよ』
『取っただなんてぇ~』『まぁ、恨んじゃないけど~で、礼ちゃんは』
『俺は…33歳の時、香菜と…』
全員が、プッ、と吹き出し大爆笑…
『あのねぇ、礼ちゃん、私と付き合う前、利香さんと付き合っていたでしょ。しかも、一緒に暮らしていたでしょ』
『でも、清い交際だったからね。梨香』
『そうです。清い…』
といいながら、梨香も笑ってしまった。
『あのねぇ、あなたたち…もう~』
『そうそう、話は変わりますが、このエロ主任、これでなかなか、モテるんですよ』
『そうなのよ、だから心配で…この前なんか、他の部署の女性が、素敵だなんて話してたぁ…』
『まぁ~そうなの、エロ主任さん、素敵なオチンチン出して歩いてるんじゃないのウフフ』
『やだぁ~お母さん…』
やっぱり、そちらの方向に、行ってしまった…
昨夜のようにならないかと危惧したが…
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