チャイムを鳴らすと、美代子の声が…
『はい、どちら様でしょうか』
『礼二です。ちょっと早かったんですが…』
『あら、礼二さんどうぞ上がって下さい』
駆け寄ってきて、キスをしてきた。
『まずいよ、みんな居るんだから…』
『大丈夫。食事中だからね』
『ダメだよ…』
さらに、抱きつこうとする美代子をかわしたら、倒れそうになり抱き寄せた。そこへ香菜が…
『お、あ母さん、何やってんの』
『違うよ、倒れそうになったから支えたんだよ』『そうよ、なに勘違いしてるのよこの子ったら』 『だってぇ~誰がみたっておかしいでしょう…』『香菜、この頃変よ、イライラして』
『お母さんこそ、なにかというと、礼二さん、礼二さんてぇ、礼ちゃんは私の旦那さまなのよ』
『じぁあ、言わせてもらうけど、娘の旦那と言うことは、私の義理の息子でしょう、息子の心配してなにが悪いのよ』
『そりゃぁそうだけど』
騒ぎを聞き付けて、浩司が出てきた…
『お~礼二君、早かったねぇ、いらっしゃい』
『こんにちは、駅まで送りついでに、早くきちゃいました』
『別にかまわないから…ほら、二人でごちゃごちゃしてないで、上がってもらいなさい』
浩司のおかげでその場はおさまった。
それにしても、この家に入ったら、この先どうなるんだろう…一層の事、破談になればいいのか、そうなったらなったで今以上に問題だ、なるようになれ、と投げ遣りな気持ちになった。
リビングに行くと、浩司がきりだした…
『今日、礼二君と行きたいところがあるんだよ』『はい、私は大丈夫ですよ』
『えぇ~、私も行く…』『香菜、2時間位で済むから、その後だ、美代子も大丈夫だろう』
『お母さんは、留守番していたら…』
『こら、香菜、なんて事言うんだ、お義母さんに…』
『そうだぞ香菜、みんな一緒にでかけるんだ』
『まぁ~、私は誰かさんみたいに、子供じゃないから、お・と・な、ウフ』『わかったはよ、私だって大人なんだから…』
『体はね』
『お母さん、なによ』
またまた、言い合いが始まった…
『美代子も香菜も止めなさい。全く…最近、顔を合わせると直ぐだ』
私を見て、困った顔をする。香菜は、美代子を睨んでいる。美代子は、知らんぷりして…
『浩司さんも礼二さんも、もう出掛けますか』
『早く出れば、それだけ早く終れるからな。じゃ、礼二君、行くか』
『はい、いつでも…香菜、ちょっときな』
私は香菜を呼び出し、一緒に外へでた…
『香菜、どうしたんだ、なにがあったんだ』
『お母さんったら、なにかと礼二さん、礼二さん、あげくに、礼ちゃん、なんて言ってるんだよ…まるで自分の恋人みたいうし、全く』
『香菜、それは香菜の考えすぎだよ。礼ちゃんとよんでもいいじゃないか、梨香だって仕事を離れれば、礼ちゃんでしょう…香菜も聞いたことあるでしょう』
『だって、梨香先輩とは、元カレ、元カノでしょうだから…』
『さっき、お母さんが言ってたように、義理でも親子になるんだよ。だったら、親しみ込めて、礼ちゃんでいいじゃないか、俺的にも、礼ちゃんのほうがいいな』
『そうなんだぁ~』
『そうだよ。だから香菜ももっと大人にならないとね。俺の奥さんになるんだからね』
香菜は、コクンと頷き顔を上げた。後ろに美代子がきた。私は見せつけるように、キスをした。一瞬、美代子の顔が歪んだようになり…
『あらま、仲がよろしくて…あっ、浩司さんがでかけましょって…』
『あ、はい、外でまってるんで…』
しばらくして、浩司と駅前の喫茶店に入った。
※元投稿はこちら >>