とにかく、美代子を落ち着かせて帰さなければならない。
この後、梨香の事もあるし、暫く様子をみた…
『礼ちゃん…ごめんなさい。取り乱して』
『そんな事ないから…他人にはわからない、見えない部分は沢山あるからね。でもね、俺は一応他人でなくなる予定でしょ、だったら一つでも多く知っていたいし、問題があるなら、一緒に解決していきたいんだよ』
『礼ちゃん、格好つけすぎウフフ。でも、ありがとう。礼ちゃん優しい』
『格好つけすぎかなぁ~、これが地なんだけど』
立ち上がり、顎に親指を立ててポーズをとる…
『礼ちゃん、裸でポーズとったってぇ、それにオチンチンたってるしぃ』
二人で大爆笑した。
良かった、美代子の気持ちが落ち着いて…
『じぁ、私帰るね。一応主婦だから…』
『わかった、何かあったら連絡してね、ここに居る間は、いつでも部屋に入れてやるからね』
『あら、部屋にだけなの…ここにはダメなの』
股を指差している。
『だめだなぁ~、美代子のそこは、底無し…』
『ひど~い』
笑いながら、帰った。
時間を見ると、7時を回ったばかりだ。
梨香が来るまでは、まだまだ時間がある。
買い物でもと思い近くスーパーへ行って戻る途中、道路の向かい側を、力なく歩いてる女性が見えた。ん、もしかして…梨香か、横断歩道を渡り、女性に追いつく…
『梨香、どうした』
『あっ、主任…』
『早かったから、ブラビラしてたの』
『早いも何もないだろう~まだ8時前じゃないか、何かあったのか』
『礼ちゃん…』
腕に寄り添い、泣いてしまった。
すれ違う人達が、ジロジロこちらを見ている。
『梨香、どうしたんだ、泣くなよ。とにかく部屋へ行こう』
急ぎ足で、部屋へ…
リビングに座って、落ち着かせる。
泣き止み話始めた…
『礼ちゃん、彼氏にまた裏切られた…』
『またって、あの彼氏かぁ…』
梨香は大学時代から付き合ったいた彼氏がいた。一応、結婚まで考えていたが、女を作って梨香の前から去った。
その後、私と付き合ったが、1年前、彼氏が梨香の前に現れた。
見も心もボロボロで、梨香は可哀想でほっとけないからと、私と別れた。私としては、そんな梨香を恨みもしなかったし、むしろ歓迎したのであった。これで梨香が、幸せになればと…
『礼ちゃん、男の人ってさぁ、若くて、胸が大きくて、ある程度肉付きがある、香菜みたいな子がいいのかなぁ』
『梨香、香菜みたいなって聞くのはちょっと…』『あっ、そっかぁ~将来の香菜の旦那さまに聞くことじゃなかったね』
『いやいいけどね』
冷蔵庫からビールをと立ち上がった。
梨香は、勝手知ったる我が家とばかりに、コップを用意した。
かんぱいをして…
『なんかさぁ~、梨香の失恋飲み会思いだすよ』『あったあった、あの日の夜、礼ちゃんにお持ち帰りされたんだぁ~、この部屋に』
『違うだろう、梨香が歩けないほど酔って、帰りたくな~いって泣くから、おんぶして連れてきて、介抱してやったのに』『へぇ~、あれが介抱なんだぁ、裸にして、シャワー一緒して、チンチン差しこんでぇ…』
『ば~か、梨香が抱いていったから、言われる通りに介抱したんだよ』
いつもの梨香に戻り始めた…ここで彼氏の話は出さないようにした。
『冷蔵庫につまみあるから出して来てよ。ついでにビールも』
冷蔵庫から、ビールとつまみ、食器棚から取り皿と箸を持ってきて…
『これって、礼ちゃんつくったの…』
『そうだよ』
ウソぶってみたが、疑いの眼差しで見つめる。
買ってきたビールも飲んでしまい、梨香が買いに出た。その時携帯が…
美代子からだ…
『礼ちゃん、今大丈夫』『少し位なら…どうしたの』
『さっきはごめんなさい。私、ちょっとイライラしたことがあったから』『香菜か…』
『そう…浩司さんも』
『まぁ、理由は後から聞くけど、あんまりイライラしないでね』
『わかったわ、礼ちゃんて、やっぱり優しいんだね。ますます好きになっちゃう…愛してます』
電話を切ったが、愛してますには、ちょっと困ってしまう。
私が、美代子と電話で話して、長くなりそうな時は、その手を使っているだけで、美代子からの愛してますは…
買い物から梨香が戻ってギター…
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