久しぶりの一人寝のせいか、かなりゆっくりと眠れた気がした。
時計を見ると、10時過ぎたばかりだ。
隣の部屋に入ると、三人が着替え中で、パンティ一枚でウロウロと…
『おや、変態礼ちゃん』『梨香、お前なぁ~美幸ちゃんの前で…』
『礼ちゃん、私と梨香さんは気にしないけど、美幸ちゃんが…』
背中を向けていた美幸が、振り向いた。
最近の小学生は、性に関する知識だけじゃなく、発育も進んでいる。
『美幸ちゃん、オッパイ隠さないと…』
『そうよ…この人、ロリコンでもあるしぃ』
『いいの久保礼は…いずれは、全てあげるの』
香菜と梨香は、不思議な顔をして…
『美幸ちゃん、どういう事なの…』
『私には、計画があるの、16になったら、久保礼に処女あげてぇ…大学卒業したら、結婚するの』『大学卒業って、美幸ちゃん、後10年あるよ』
『美幸ちゃん、礼ちゃんの10年後は、44だよ』『ん…でもいいよ。うん、梨香ちゃんと香菜ちゃんは幾つになるの…』
二人は答えると…
『絶体私の勝ち~二人とも30過ぎだし、梨香ちゃんなんか…40近いオバサンでしょウフフ』
『まぁ~美幸ちゃん…最近の小学生には』
梨香が呆れた顔をして、爆笑した。
その時、隣の部屋の携帯が鳴った。
〈お義父さん〉の表示が出ていた。
『はい、久保田です』
『どうした…そうか、まずいのか』
『かけ直すんで…』
そう言って切った。
香菜が部屋…
『どうしたの…誰から』『実家の母だよ…』
『そうなの、ご挨拶したかったなぁ~』
『いいよ…3月に会えるからね。電話だと、長くなるんだよ…』
『礼ちゃん…かなり帰ってないでしょ』
『5年くらいかなぁ~』『駄目でしょ。一人で寂しいんじゃないの』
『俺なんか、居ないほうがいいんだよ…』
不思議な顔で、私を見ている香菜…
『香菜…母親の事、話してなかったね』
『あんまり聞いてない』『まぁ~その内ね』
着替えも終わり、みんなでリビングへ…
美代子たちは、コーヒータイムであった。
美智子が…
『今日、私のマンションに来ない…』
『美幸ちゃん、美智子オ・バ・サ・ンのマンション、凄いのよ~』
『こら、香菜…なんでオバサンを強調するの』
『あのねぇ~私と梨香さんですら、オバサンなんだからね』
『そっかぁ~美樹ちゃんの子供だもんねぇ~』
『みっちょん、いつまでも若くないからね』
すぐさま美幸が…
『だから言ったでしょ。二十代が一番』
『何この子、さてわ…あの話したのね』
『美樹さん…でいいですか、聞きました…』
『香菜ちゃん、ミキティーでもいいわよ。ねっ、梨香ちゃん』
『いやいや、課長さま…恐れ多くて…』
『全然恐れてないなぁ』『そんな事ありませんから…それより、美幸ちゃんのほうが恐い…』
『そうなのよ。子供なのに、知識と体だけ成長して…』
美幸は、鼻高々の顔をしている。
美代子が、みんなを制するように…
『ほらほら、時代が違うのよ、最近は、流が早いんだからね』
その時、またまた携帯が〈お義父さん〉の表示
その場を離れ、
『済みません、何度も、どうしました』
『今日、例のマンションに来ないか、ちょっと話があるんで…』
なんとなく、面倒な雰囲気ではあったが、午後に行くと返事をした。
リビングに戻ると…
『礼ちゃん…どうする』『ん、今友達から電話があって、今日会うことにしたんだよ。だから…』
嘘をついて、一足先に出かけた…
マンションに着くと、石塚が出た…
『おめでとうございます。さっ、どうぞ…』
中に入ると…
『よう~礼二君、済まんなぁ~呼び出して』
『お義父さん…なんでしょう、話って』
『うん、まぁ~一杯やってから…ねっ』
香菜や美代子の近況や、浮気話などをして、酒も進んで盛上っていると…
『久保田さん…実は、でききゃって…』
突然、石塚が…
『えっ、できたって、子供…』
『そうなの…』
『そうなのって…なんで避妊しなかったの』
『一応…してたんだけど、外れて…』
『礼二君…そうなんだよ…堕胎しかない…』
『そんな事相談されても…俺が…』
『そうなんだが、何処かぁ、ないかな』
『まぁ~ないことないですけど…』
『宜しく頼むよ…』
『でぇ~何ヵ月ですか』『はい…2ヶ月目です。生理がなくて…』
石塚は、うつむきなが、答えた。
『で、お義父さん、いつまでいるんですか』
『私は10日に戻らないと…仁美は、正月後は此方にいるから…』
『わかりました。私は6日から仕事なんで、直ぐに連絡します』
二人は安心したかの、なんとなくホッとした顔になった。
しばらく飲んでいると…
『礼二君は、大丈夫か』『大丈夫ですよ。って言うか、まだ結婚していないんですよ』
『いやいや、香菜じゃなくて…美代子だよ』
『えっ、久保田さん、奥さまと…』
『そうなんだよ。礼二君が美代子の浮気相手なんだよアハハハ~』
『そうだったんですかぁ~やっぱり…』
『やっぱりって…』
『奥さまが、空港での久保田さんを、見ている目が、違ってましたから』『まぁ~相手が礼二君で、安心したけどね』
全く、この家族はなんなんだ…
まぁ~そこに絡んでいる私も、かなりだが…
『あっ、お義父さん。X'masプレゼント、間違ってましたよ。美代子さん、怒ってましたよ』
『そうなんだよ。仁美のと間違えて…』
『知ってましたよ』
『そうかぁ、やっぱりな~、仁美から聞いたよ。空港での事…』
『まぁ~気を付けて下さいよ。話したように、お隣さん、美樹さんですからね』
『えっ、えっ、お隣さんて…』
『そうなんだよ。隣に越して来たのは、美代子の同級生なんだよ』
不安そうな顔をしたのは一瞬だけで…
『まぁ~その時は、その時、さっ、飲もう』
もうこの夫婦に愛情の欠片もない…だが、二人とも離婚はしない。救いはそれだけであった。
かなりご馳走になり、近くの駅まで来ると、美樹と美代子に…
『あら礼ちゃん、どうしたの…こんな所で』
『あ…友達が近くにいるんだよ。今、帰るとこだよ。あれ、美幸ちゃん…いないけど…』
『美智子のところよ。今日は、あそこに泊』
『全く…人がいっぱい居るの楽しいのよ』
『あっ、礼ちゃん…これから美樹ちゃんの所に行くのよ。行かない』
『久保礼、帰っても一人よ。来なさいよ』
『あっ、そっかぁ~今帰ると、今日の夜は、礼ちゃんと二人だ…』
『はいはい、尚更帰さないからねウフフ』
こうして、マンションに逆戻りに…
※元投稿はこちら >>