浩司は、一旦視線を外し、再度私を見て、顔の前で手を振りながら、頭を下げた。
私は、女性陣の背中を押すようにして、反対側の屋台へ…
『一杯だけ呑もうよ。焼鳥うまそうだから…』
『礼ちゃん、全く…』
『いいじゃないか。正月正月』
『香菜、いいじゃないの、ほら、美味しそう』
『お客さん、そうじゃなくて、美味しよ』
そんなやり取りの中、向かいを見ると、浩司たちが出て行った。
焼鳥を食べながらビールを飲んでいると携帯が…浩司からである。
実家からと言ってその場を離れた。
『礼二君、明けましておめでとう…元気そうで』『お、義父さん、おめでとうじゃないでしょう…いつ日本に…』
『あ…大晦日に、ちょっと問題起きて…』
『問題…なんだか知りませんが、帰ってたら…一言ぐらい…』
『まぁ~それは…ところで、みんな元気そうだね。良かった良かった』
『って言うかぁ全く…』
私は呆れてしまい、言葉を失った。
ここの家族はどうなってるんだ…
『あっ、そうだ礼二君、美代子を抱いてやってるかな~』
『まぁ…そんな…』
『いいからいいから、遠慮しないでアハハハ』
『アハハじゃなくて…そうそう、義父さん、石塚さんのマンションて、もしかして浅草ですか…』『えっ、あ…そうだが、何かな』
『入口のドアに、ローマ字で…』
『そうだよ』
『やっぱり…』
『やっぱりって、それがどうした』
『いや、隣に美代子さんの同級生が越してきて、義父さんも知ってる人』『誰なんだよ。その人』『平木美樹さん…』
『え~ほんとか…それはまずいなぁ~』
『まずいですよ。お互い、顔知ってるでしょ』
『あ…気をつけよう』
そう言うと、切れた。
戻ると、女性陣の側には、数人の男達が…
『おやおや、ナンパされてんのかなぁ~』
『あっ、礼ちゃん…』
『ほらほら、俺の連れなんだけど、何か用事でもあんのかなお兄さん達』『いやいや…、別に…失礼しました…』
男達は、ばつ悪そうに屋台を出て行った。
『礼二さん、ヤリィ~』『美智子さん、からかわないでよ』
『この主任って、鬼のような顔してるから…』
『梨香、鬼とはなんだよ。失礼だなぁ~』
『ウフフ…顔だけじゃなくて、あそこもね』
『り、梨香さん…』
『香菜は、その鬼惚れたわけだぁ~』
『そうよ。鬼の金棒に突かれて幸せ…梨香さんも幸せだったでしょウフフ』
『まぁ~この子ったら、最近…誰に似たの』
みんな一斉に、美代子を指を指して、大爆笑に…
しばらくして屋台をでて、次の浅草寺に向かった
浅草寺も人人でごった返していた。
その時、子供の声が…
『久保礼~久保礼~、こっちこっち~』
声の方見ると、ミキティーと女の子が手を振っている。
『あらっ、美樹ちゃんよ。美智子、美樹ちゃん』『えっ、美樹ちゃん…』
お互い歩みより、再会を喜んでいる。
女の子が近寄り…
『久保礼、久しぶりです。美幸です』
『美幸ちゃん、大きくなったなぁ~』
『当たり前でしょ。4年経ってるんだから…』
『美幸ちゃんだぁ~私…覚えてる…』
『覚えてる~、私梨香ちゃん、でしょウフフ』
『まぁ~、私は要らないからね』
『は~い、あれ、この人は…』
『香菜です。お母さんの同級生の美代子オバサンの娘だよ。オバサンの』
その言葉を聞いていた美代子が…
『香菜、オバサンオバサンて…三人いるのよ。敵に回すきアハハ』
『あのねぇ~美幸からすれば、梨香ちゃんも香菜ちゃんもオバサンだよ』『まぁ~、だったら、礼ちゃんはオジサン』
『久保礼は違う…』
『あらあら美幸ちゃん、どう違うの…』
『みっちゃん、この子、久保礼のお嫁さんになるんだとウフフ』
『お、お母さん…』
美幸は顔を赤らめて、下を向いてしまった。
そんな美幸に梨香が近づき…
『美幸ちゃん、私も香菜ちゃんも、礼ちゃんを狙っているのよ。頑張りましょ。ねっ、香菜、そうでしょう』
香菜に向かってウィンクする…
『そうよ。負けないからね。オバサンでも』
『そうなの…わかった、負けない。でも…香菜ちゃんのオッパイには、負けるかも…』
みんな香菜をみて、うん、うんと頷きながら、微笑を…
浅草寺を後に、佐々木家に向かった。
恒例の新年会をする事になっていた。
自宅に戻ると、美代子と美智子は料理を、香菜、梨香、美幸は買い物へ…リビングでミキティーと二人で居ると…
『久保礼…知ってる、みっちゃんの旦那…』
『知ってるよ。この前行った時、そうじゃないかと…今日、靖国で会ったて、ビックリした…』
『私は、大晦日に…夕方、美幸とマンションに来たら、前を歩いていて…その時隣に…』
『美代子さんには、黙っててよ』
『勿論よ。言えないわ』
そう言うと横に来て、私のチンポを触って…
『久保礼…やっぱり忘れられないの…今度、抱いてね…』
『ミキティー、ちょっと待ってよ…』
『みっちゃん、抱いたでしょう…』
『えっ、それは…』
『いいの…隠してもダメよ。見てればわかる…』『わかった…だから…ここでは…』
ミキティーは、頬にキスして、料理をしている二人のもとえへ…
やがて香菜達も戻って、応接室に料理が並べられて、新年会が…
なぜか、乾杯をしない…
『美代子さん、どうしたの、始めようよ』
『ちょっと待って、まだメンバーが…』
『礼ちゃん、お母さんの元会社の人、洋子さんと、優子さんが来るの』
しばらくして、二人がやって来た。
なんと、美幸を含めて、女性が8人、そこに男の私一人、異様な雰囲気の中、宴会開始である…
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