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43
投稿者:コウジ
顔を俯けたまま、その白い封筒を眼鏡越しの切れ
長の目で凝視していた義母の顔面が瞬く間に蒼白の
度合いを増し、動揺と狼狽の表情の色を濃くしてい
るのがわかりました。
紅く引いたルージュの唇が小さく震えだしている
のがわかりました。
と、義母の上体が前に傾き、片手が前に伸びたの
が見え、それより一瞬早く動いて、僕はその封筒を
掴み取ったのでした。
「亜紀子、ここでこの封筒開けてみようか?」
手にした封筒を義母の前で翳しながら、邪淫な悪
魔の心に支配された僕は、彼女の心の中の動揺を見
透かすように静かな口調で言葉をかけました。
その白い封筒の中身が何なのかを、義母の狼狽し
た蒼白の顔が明白に察知していることを、僕に図ら
ずも露呈しているのでした。
「亜紀子には色々と尋ねたいことがある。ここで
見開いて質問しようか?」
「…‥…‥」
細い両肩を強く窄め込んで、首を深く折り曲げた
まま義母は声を失くしていました。
「これを脅迫ととるかどうかは亜紀子の勝手だけ
ど、でもこれまで僕が亜紀子に抱いていたイメージ
を粉々に粉砕するものだよね?…勿論、このこと
は僕しか今はまだ知らない。誰にも知らさないでい
るつもりだ」
つとめて静かな語りかけ口調で話しながら、僕は
その封筒をまた背広のポケットに仕舞い込み、膝の
上で拳を作っていた義母の両手の上に手を重ねてい
ました。
逃げようとした義母でしたが、男の僕の力には勝
てません。
椅子から腰を上げ義母のほうに身を乗り出すよう
にして、僕は片方の手で彼女の細い肩を抱き寄せま
した。
慌てたように後ろに身をずらそうとした義母です
が、色褪せた白い封筒の衝撃が大きすぎたのか、心
なしか力が弱っている気がしました。
義母の上体がベッドに崩れるように倒れました。
その上に僕の上体が覆い被さり、蒼白の顔のまま
の義母の唇を重ねにいくと、彼女は小さく小首を振
って僕の唇から逃げようとするのですが、それとて
も強く抗うものではありませんでした。
紅いルージュの仄かな香りが僕の鼻腔をくすぐり、
やがて義母の唇は僕の餌食となり、白い歯が小さく
開いたのでした。
覆い被さり唇を貪り吸う僕の両肩に置いた義母の
両手から、強い抗いの兆しは感じられませんでした。
眼鏡の奥の義母の目は深く閉じられたままで、う
っ、うっと小さく息を弾ませていました。
義母のパジャマのボタンに手をかけ、僕はゆっく
りと一つずつ外していきました。
その手を遮ろうとする義母でしたが、白い封筒の
衝撃による心の中の挫折感はよほど大きかったのか、
力がほとんど入っていない印象でした。
唇を吸いたてながらふと目を開けると、義母の眼
鏡の奥の細い目尻から涙のようなものが一筋流れ出
ていました。
しかしそれを見て悲哀と同情の思いに駆られると
いうことは、その時の僕にはもうありませんでした。
パジャマの前ボタンが全部外され、薄い肌色のキ
ャミソールが艶やかな肌とともに露呈しました。
この時、義母がどういうわけでかブラジャーをし
ていなかったことに僕は気づき、キャミソールのシ
ルクの布地越しにすぐに小さく円やかな乳房をすぐ
に掴み取ったのでした。
「ううっ…」
と短い声が洩れ、僕に唇を吸われたままの義母の
顔が小さく左右に揺れ動きました。
シルクの布地越しに僕は、義母の乳房をゆっくり
と揉みしだきました。
乳房への愛撫を続けたままで、僕の唇が義母の唇
から離れ、彼女の尖り気味の顎の横から首筋を舌先
でなぞるように這い回ります。
彼女の細い首筋を這う唇にも、乳房を揉みしだく
手にも、僕はゆっくりとした丹念さを心がけて愛撫
を注ぎました。
「ああっ…」
と義母が頤をのけ反らすようにして少し大きな喘
ぎ声を洩らしました。
それは彼女の女としての弱点ともいえる乳房を丹
念に揉みしだく、僕の手と指の動きに連動するかの
ようにその後もしばらく続きました。
義母の片腕からパジャマを脱がしキャミソールを
たくし上げると、肌理の細やかなすべすべとした腹
部の肌と、円やかで柔らかげな乳房、そしてその頂
きにぽつんとある薄桃色の小さな蕾のような乳首が
露わになりました。
指先でその固くしこり出している乳首を軽く摘ま
み上げるたびに、義母の頤が切なげに上下するので
した。
それまで丹念さを心がけていたはずの僕も、義母
の清楚で気品のある顔が切なげに歪むのを見て、さ
すがに昂まりの度合いを急激に深めてしまい、動き
を忙しく早めてしまうのでした。
義母の乳房を這っていた僕の手が腹部の艶やかな
肌を滑るように下り、パジャマのズボンの下にする
りと潜り込んでいました。
ずきんと胸を昂まらせるような漆黒の茂みの感触
が、僕の指先から一気に脳髄を刺激して、さらにそ
の茂みの奥の柔肉の裂け目の中に突き進むと、義母
のその部分は熱くしとどに濡れそぼっていたのでし
た。
この室に入った時、銀縁の眼鏡を光らせ、理性に
満ち満ちた毅然とした態度で僕を諭し諌めようとし
ていた義母でした。
元聖職者然とした理知的で険しい顔つきだった義
母の態度に、正直なところ僕は少したじろいだのは
事実でした。
あの白い封筒がなかったら、やもすると僕は義母
の諭しに屈服し、これまでの卑猥で淫靡な行状に深
い詫びと反省の言葉を述べさせられていたのかもわ
かりません。
しかし攻守はところを換えたのです。
今、僕の身体の下で間断なく女の喘ぎの声を洩ら
しているのは義母でした。
きっかけはともかく長く執拗な僕の狡猾な愛撫に、
義母は間違いなく屈しようとしていました。
「ああっ…だ、だめっ」
義母の下腹部に潜り込んだ僕の手の淫靡な動きに、
自分の両手の指を口の中に差し込むようにしながら、
彼女はわなわなと全身を悩ましげに揺らせ続けてい
ました。
休むことなく僕は動き、義母のパジャマのズボン
を脱がせ下ろしました。
僕はそのままベッドに上がり込み、忙しなげな動
作でズボンのベルトを外し、トランクスと一緒に脱
ぎ下ろしました。
もしかしたら看護師か誰かの突然の来室があるか
も知れないという怖れがふと頭を過ぎりましたが、
まるで予期せぬ竜巻のように体内から突発的に湧き
上がってきている欲情の前に抑制力を喪失してしま
っていました。
義母の剥き出しになった細い両足を大きく割り拡
げ、上半身は背広とネクタイで下半身丸出しの姿で、
僕はすでに固く怒張した自分のものの先端を彼女の
下腹部の漆黒の中に当て入れたのです。
義母の両足首を高く持ち上げ、僕は自分の屹立し
たものの先端で義母の体内への入口を探り求め、す
ぐにぬちっとした潤みを湛えた彼女の中心を捉えま
した。
剥き出しの両足を高く持ち上げられ、あられもな
い開脚状態にされた義母は眼鏡の奥の目を大きく見
開き、慌てふためくようにして身をずらし逃げよう
としましたが、もうその時には僕の屹立の先端は彼
女の柔襞を割り裂き込むよう侵入し始めていたので
す。
「ああっ…こ、こんなところで…い、いやっ」
ヌメヌメと濡れそぼった膣内の柔肌が心地のいい
圧迫感で、ゆっくりと中に侵入する僕のものに生熱
い刺激と、声を上げそうになるくらいの快感を与え
てきていました。
小柄で華奢な体型のせいか義母のその部分は、僕
には経験のないことですが、例えると未成年の少女
のもののような狭窄感で堪らない刺激を与えてくる
のでした。
僕のものの先端に、義母の膣内の最深部の何かが
触れ当たるのがわかりました。
「ああっ…あっ…だめっ」
一際高く義母の咆哮の声が上がり、彼女の細い両
腕が何かにすがるように空中を激しく泳ぎ回ってい
ました。
僕はそのまま腰をゆっくりと律動させました。
「ああっ…だ、だめっ…う、動かないで」
首から上を激しくのた打ち回らせて義母が哀願す
るように声を洩らすのですが、僕はそのまま腰の律
動を止めることはせず、逆に動きを次第に早めてい
ったのでした。
「あっ…ああっ…だめっ…そ、そんなに早くした
ら…あっ」
「亜紀子、どうだ? 気持ちいいのか?」
「ああっ…こ、浩二さん…そ、そんなに」
「気持ちいいのか聞いてるんだ。どうなんだ?」
「ああっ…ゆ、許して…ど、どうにか‥なっちゃ
う」
「もっと強くか?」
「だめっ…こ、これ以上…ああ」
「もう一度聞くよ。どうなんだ?亜紀子、気持ち
いいのか?」
「は、はい…ああっ…き、気持ちい、いいです」
腰の律動を続けたまま僕が上体を前屈みにしてや
ると、義母は僕の両腕に強くしがみついてきて、顔
を近づけてやると絶え絶えしい息を吐きながら唇を
求めるような仕草を見せるのでした。
カチャという室のドアが開くか閉まるかのような
かすかな音が僕の耳に入りました。
ドアのほうに目をやると、そこに人の気配はあり
ません。
気のせいだったかと思いながらも、僕も義母の膣
内から受ける心地の良すぎる圧迫感と、彼女が熱く
吐く息や、間断なく洩らし続ける喘ぎの声に、昂ま
りの熱風が体内に吹き荒れ出してきていて、絶頂の
間際にいることを感じさせられていました。
義母へのつらぬきの僕の動きが俄然早まり、彼女
の唇を荒々しく貪り吸ったり、乳房や乳首への愛撫
も間断なく続けたりして、やがて僕は、
「亜紀子、も、もうだめだ。いくよ」
と声を上げて全身を痙攣状態に陥らせたのです。
「ああっ、こ、浩二さん。わ、私も…もうっ」
と義母は僕の首に捲きつかせた腕に、ある限りの
力を込めて強くしがみついてきて、一際高い官能の
昂まり声を上げて絶え果てようとしていました。
僕は小柄な義母に上体を被せ込むように倒れ、義
母は僕に強くしがみつき、お互いが気持ちを合わせ
て共にめくるめく絶頂の極みに昇りつめたのでした。
義母の身体の中でどくどくとした放出感を、僕は
深く何度も堪能したのでした。
ベッドの上でまるで惚れ合った恋人同士のように、
僕と義母は深い抱擁の姿勢のまま、しばらくは茫然
としていました。
やがて僕は義母から離れ、ベッドから降り、身繕
いを済ませると、何気にもう一度ドアのほうに目を
向けたのです。
近づいてくる足音が小さく聞こえました。
ふと義母を見ると、ほとんど裸に近い状態でまだ
茫洋とした焦点の定まらない目を空中に泳がせて、
息を荒く弾ませていました。
「亜紀子、誰かくる」
僕は義母の乱れたままの裸身を慌てて上布団を被
せて隠しました。
足音が止まりドアをノックする音がしたのはその
すぐ後でした。
「はい?」
と僕は平静を装った声でいってドアのほうを見る
と、この前の看護師が軽い会釈をして入ってきまし
た。
「失礼します。先生、明日のご退院おめでとうご
ざいます。私、明日お休みをいただくのでご挨拶に
伺いました。足の具合は大丈夫ですか?」
帰宅前なのか制服姿ではなく、白のセーターに濃
紺のツーピース姿でした。
「あ、ああ、それはわざわざどうも。すみません、
義母は少し疲れたといって、今眠ったところなんで
す」
僕は咄嗟な思いつきで少し慌てたように言葉を返
しました。
「そうなんですか。…あの、それなら先生によろ
しくお伝えください。私、野村加奈子といいます」
少し残念そうな表情を浮かべながら、彼女は頭を
下げて退室しました。
長く肩まで垂らした髪と健康的で若々しい肌の色
と、くりくりとした目が特長的な感じの子でした。
振り返って義母を見ると、僕が咄嗟な思いつきで
いった言葉に従ったのか、すっぽりと顔まで隠すく
らいに布団を深く被っていました。
「亜紀子、もう大丈夫だよ」
そういって僕は義母の布団を二度三度叩いてから、
「今日はこれで帰るよ。明日は僕は仕事で来れな
いけど、由美が休みで朝から来るっていってた」
と声をかけましたが、彼女からの応答はありませ
んでした。
例の封筒の件については、ここで今問い質すとい
う気持ちは僕にはありませんでした。
事の成り行きでたまたま義母に提示してしまった
のは僕も想定外のことでしたが、これはこれでいつ
の日か時間を充分に割いて、事の詳細を問い質せば
いいと考えていました。
おやすみ、の言葉をいって僕は病室を出ました。
病院の玄関を出ると外はもう夜でした。
歩いて帰るつもりで二百メートルほど行くと、突
然、建物の脇から人が僕の前に出てきたので驚いて
見ると女性のようでした。
「君は…」
つい今しがた僕と義母のいる病室に挨拶に来た野
口加奈子でした。
「こんばんは。驚かせてごめんなさい。ここでず
っと待ってました」
街灯に照らされた彼女の顔には悪戯っぽい笑みが
浮かんでいました。
「僕を?」
そう聞くと白い歯を見せて少しはにかんだような
表情で、
「私、偶然にも何十年ぶりかに先生に会ってとて
も嬉しかったんです。あの先生は小学校の時の私の
憧れの先生だったんです。だからもっともっとたく
さんお話したかったのに、明日退院されてしまわれ
るのがとても寂しくて」
「え?それでどうして僕に?」
「先生のお嬢さんのご主人とは伺っていました。
…それで、私の勝手な思い込みなんですけど、先生
のお身内の方にお話聞いてもらえたらと思って」
「僕に義母の若い頃のことを話したいってこと?」
「あ、今日の今じゃなくていいんです。このまま
先生が退院されてしまうと、こちらから自宅へお邪
魔するのも何ですし…」
会ってまだ二度目の彼女からの奇妙な問いかけと
いうか、申し入れに僕はただ戸惑うだけでしたが、
街灯に照らされた彼女の顔を見ると、存外可愛く見
え、明るい性格のような感じだったので、
「こんな僕でよかったら、いつでもお話聞きます
よ。携帯番号よかったら…」
と応え、お互いの携帯番号を教え合って、その場
は別れたのですが、十メートルほど歩いた時に、
「この前最初にお会いした時、先生のパジャマの
ズボンがベッドの下のほうに垂れ下がっているの見
ました…おやすみなさい」
と彼女はそういって反対方向に勢いよく駆け出し
ていったのでした。
それは僕が初めて義母を病院に見舞った時のこと
で、彼女のパジャマのズボンを脱がせて卑猥な行為
に耽った後に、野村加奈子が病室を訪ねてきて気づ
いたことをいったのでした。
野村加奈子はもしかして僕と義母とのことに気づ
いたのか?という危惧の念を僕は咄嗟に感じました。
僕と義母との病室でのあられもない秘め事は、誰
にも見られてはいないはずでした。
野村加奈子が義母が脱いだ(実際は僕が脱がせたの
ですが)パジャマのズボンを見たからといって、そこ
から二人の恥ずかしい秘め事を想像するのは、少し
飛躍に飛び過ぎています。
そういえば今夜の時も、僕はあるところで病室の
ドアの音を聞いた記憶がありました。
僕が義母の身体をつらぬこうとしていた頃のこと
です。
義母の教え子で看護師の野村加奈子という女性の
思ってもいなかった出現で、かすかな胸騒ぎを感じ
ながら、僕は夜風のめっきり冷たくなった道を背広
の襟を立てながら急ぎ歩きました…。
続く
※元投稿はこちら >>
15/06/19 00:37 (5b13NaBt)
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