表向きは平穏な日がしばらく続いたある日、叔父の洗濯物を届ける機会がありました。
案の定、息子は二階に籠もりっきりでした。
叔母とお茶を飲みながら話をして、初めて息子が暴れるようになったきっかけ知りました。
近所の同級生の女の子の家の洗濯物を盗もうとしたらしいんです。実際に盗んではいないんですが、夜中にガレージ奥に干してある洗濯物に近づいたのを家人に見つかったんだそうです。
叔母は本当に困り果てているようで、息子をカウンセリングしながら治療をする施設に入れるべきか悩んでいました。
帰り際、叔母から『一度施設を見たいから乗せてってくれない?』と頼まれました。
私は早い方が良いと思い、次の土曜日の夕方に迎えに来る約束して帰りました。
土曜日、隣県の病院施設の中を見せてもらって、治療方針の説明を受けました。その場で答えが出るはずもなく、重い気分のまま帰路につきました。
沈黙の車中、叔母がおもむろに口を開きました。
『あの子が下着に興味を示したことがショックで、歪んだ性欲があるんじゃないかと心配で仕方ない』
『今まで思春期の男の子らしい様子なんて無かったのに、この先変な方向に行きそうで怖い‥』
と、本当に心配そうな消えそうな小さな声でした。
私は何と返答した方が良いのか迷ってしまい、また重い沈黙が戻ってしまいました。
何かしゃべらないといけないと焦っていると、叔母がまた小さな声で『少し聞いていい?』と。
とっさに「俺にわかることなら何でも聞いて」と返しました。
『あのね、若い男の子って性欲はあるよね?』
「うん‥まぁ」
『それって、一旦そんな気分になると自然には治まらないの?』
「う~ん、本当に興奮したら出すまで治まらないかもなぁ」
『そうなの?みんな自分で出したりするんだよね?』
「ははっ、まあね」
短い沈黙‥‥
『あの子、そんな気配もないけど内緒でしてるのかな‥』
「たぶんしてるから大丈夫だよ。若いから出さずに治まることは少ないと思うよ」
『ふ~ん、どれぐらいが男の子の限界とかわからないから‥』
沈黙‥
沈黙‥
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