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26
投稿者:コウジ
目を覚ますと室が電気の照明で明るくなっていま
した。
窓のカーテンが閉められていて、日の暮れから夜
になっている感じがあり、布団の横にあった置時計
に目をやると七時十五分でした。
何時に眠ってしまったのか正確にはかりませんが、
二時間前後は眠っていたようです。
側にあったトランクスとTシャツだけ身につけて、
ふと見ると今日の午後にこの室に入った時には壁に
立てかけられていた座卓が布団の真横に置かれ、そ
の上には食事の用意がされていて、大きな皿に天ぷ
らのような料理が盛られていたり、何かが入ってい
る小鉢が二つほどと、湯気の立つ味噌汁のお椀が見
えました。
義母の姿がないことに気づいたすぐ後に、襖戸が
外から開けられ、手に盆のようなものを持ち、濃紺
のジャージーの上下に水色のエプロン姿の彼女が片
足を引きずるようにしながら入ってきました。
炊き立てなのか湯気の多く立つご飯の盛られた茶
碗を盆の上に載せていました。
少し危うい足取りを見て、
「亜紀子、大丈夫か?これ全部君が?」
と声をかけると、
「お買い物に行けないから冷蔵庫にあるもので作
ったものばかりで、何もないのだけど…」
義母は茶碗を座卓に置き、
「天ぷらが好きだといってたから」
とやはり僕とは視線を合わさないままいってきた
のでした。
僕が惰眠に耽っている間に、義母は不自由な足で
台所とこの室をおそらく何度も往復して、僕のため
に夕食を用意してくれたのでした。
義母のそんな気遣いを思っていた時、僕の携帯が
鳴りました。
妻の由美からでした。
無事福岡に着いているとの報告で、母にもよろし
くということだったので、義母に携帯を翳すように
してその旨を告げて、
「おいしそうだな。ありがとう、いただくね」
といって僕は箸に手をかけました。
妙にこそばゆくて温かく嬉しい気持ちで箸と口を
忙しなく僕は動かせました。
義母は僕の斜め横に座り、楚々とした所作で湯呑
み茶碗に急須から熱いお茶を注いでくれていました
が、それが済むと急に姿勢を直してきて、そこで初
めて僕に視線をしっかりと合わせてきて、
「浩二さん、お食事しながらでいいから聞いて」
と眼鏡の奥の切れ長の目を光らせ、改まったよう
な真剣な口調で僕にいってきたのです。
「お食事が終わったら、もうこの室から出て行っ
てね。このままでは本当に駄目だと思うの。…あれ
だけの恥ずかしい過去のある私からどうこうといえ
る立場はないということはわかっています。…今、
私はこうして生きているのさえ恥ずかしく、死ぬほ
どに情けなく思っています」
つい数時間前には僕に抱かれ、女として官能的な
愉悦にはしたないくらいに、喘ぎ狂った顔や表情は
微塵もなく、あの元聖職者の凛とした顔に戻ってい
て、言葉を差し挟む余地さえないような毅然さに満
ち溢れていました。
「お食事中にごめんなさいね。食べながらでいい
から聞いてね」
唐突な義母の強く思い詰めたような声と真剣な眼
差しに、思わず箸と口の動きが止まってしまってい
た僕に気づいてか、彼女はかすかに柔和な表情を見
せましたが、すぐにまた厳しい表情を戻し、
「前にもいいましたが、あなたを私は責めるつも
りはありません。でも、あなたと私の立場ではこん
なことは到底許されることではありません。本当に
今日の今を限りに何もかも忘れましょう」
義母は僕から視線を逸らすことなく、真摯な声と
真剣な眼差しで語りかけていました。
僕は黙ったまま、箸と口の動きを止めることなく
聞いていました。
義母が真剣な眼差しをして真摯な声でいっている
ことは正しいことでした。
一膳のご飯を完食し、義母が入れてくれたお茶を
手に取り一口すすり呑んだ後、僕から出た言葉は、
「亜紀子、その話はもういいよ。二度とは聞きた
くない」
というものでした。
驚きの表情を浮かべる義母に対して、
「ご飯はおいしかったよ、ごちそうさん。…僕
はあの日から、あの山小屋の一夜で亜紀子を知っ
てから変わった。ある意味では僕はあの夜から悪
魔に心を売ったのかも知れない。それは亜紀子、
君のせいだよ」
とさらに言葉を継ぎ足しました。
「私の…?」
「そうだ、亜紀子が僕の前に現れたからだ。由美
の母親として君が僕の前に現れた時から、僕はずっ
と夢想してた。立場とか身分とか、年齢の差なんて
関係ない。…理屈じゃないのさ」
「そんな…」
「あの山小屋でのことは過ちでも何でもない。僕
にとっては一つの起点に過ぎない。そして僕は今も
後悔は少しもしていない」
「で、でも私があなたの妻の母親だということは
事実です」
「亜紀子、僕は由美を今も愛している。それは間
違いないよ。そして亜紀子も愛している」
「無茶だわ…そんな」
「無茶でいいさ。僕が二人を同時に愛していれば
いい」
「非常識だわ…」
「いいじゃないか非常識で。世間にさえ知れなけ
れば…よくは知らないけど倫理観を罰する法律とい
うか刑法はないだろ?」
「あなたは…おかしい」
「おかしくていいんだよ。亜紀子を死ぬほど抱き
たい。それだけさ」
義母の目鼻立ちの整った顔が蒼白になり、憤りの
表情が浮かんできているのがわかりました。
「三十も年の離れた男の僕が、亜紀子をこれほど
抱きたいと思っている。あの青木という男だってそ
うだよ。亜紀子には自分では知らなくてわかってい
ない女の情欲というか、官能的な部分がどこかに備
わっているんだよ。…それを僕はまだこれから探し
たい」
義母は哀しげに首を左右に強く振って、ついには
顔を深く項垂れさせてしまっていました。
「亜紀子、君となら僕は地獄にでも堕ちれる。愛
している」
深く項垂れている義母の頬に涙が伝い落ちている
のが見えました。
義母のその深い哀しみと絶望の涙を見て、僕の邪
淫な悪魔の心が不意に蜂起していました。
「亜紀子、そのジャージー脱いでごらん」
という僕の声に、義母は驚愕の表情で俯けていた
顔を上げてきました。
「な、何を…何をいってるの、あなたは」
「服を脱げといってるんだよ」
「で、出ていって」
「命令だよ。早く脱げよ」
声を強く荒げ、乱暴な口調でいって、手に拳を作
って鋭く睨みつけるような強い視線を、僕は義母に
向けていました。
僕の突然の乱暴な声に、義母は小さな肩をびくん
と震わせ、また顔を深く項垂れさせていき、固まっ
たように動かなくなっていました。
「亜紀子っ―」
脅しめいた強い声で義母の名を呼びました。
「亜紀子、君は僕の命令には逆らえない。いいか
い、気持ちはいつまでも先生のままでも、女として
の亜紀子の身体はもう男の僕を知り過ぎた。だって、
僕が眠る少し前に、僕のものを咥えていた時の亜紀
子の顔は、まるで下品な小説に出てくる娼婦のよう
に艶かしかったよ」
と故意的に蔑むようにいって、さらに僕は言葉を
続けました。
「亜紀子はこれまでは教育者として長く勤め、亡
くなったお義父さんも、由美の話では真面目一途な
人なんだってね。そんな清廉な人生は、もしかした
ら虚構の亜紀子で、本性は淫らで情欲の強い女なん
じゃないのか?これまで亜紀子を抱いてきてそう思
うよ」
と義母を失意と奈落の底へ突き落とすような言葉
を浴びせ続けたのでした。
義母の小刻みに震えていた両肩が、その場にいた
たまれなさげに大きく波打ってきていました。
「亜紀子、僕はさっきもいったように妻の由美を
今も愛している。確かに異常かも知れないが、この
まま由美に亜紀子とのことを知られることなく、仲
良くやっていきたいと思っている。それにはしかし、
婿の僕とこうなった亜紀子の協力が不可欠だ。わか
るよね」
と止めを刺す台詞を吐いて、義母の顔を伺い見た
のでした。
義母の蒼白な顔からさらに血の気が引き、殊更に
際立って見える紅い唇をわなわなと震わせ、僕の狡
猾な言葉の暴力の前に声も出せなくなっているよう
でした。
しばらくの間、気まずい沈黙の時が流れました。
「どうするの?」
と僕は苛立ったような声を出して、座卓に両手を
つき、やおら立ち上がる素振りを見せた時でした。
義母の両肩がまたぴくんと震え、両の手がジャー
ジーのジッパーの上部に添えられていました。
少しの間があって、ジッパーが下ろし外される小
さな音が耳に入りました。
白いポロシャツが見えました。
そういえば義母は化粧をし直しているのか、紅い
ルージュの際立つ唇を固く噤ませ、眼鏡の奥の目も
強く閉じ、両肩を小刻みに震わせながら、両腕から
ジャージーの上着を脱ぎ外したのでした。
「全部だよ」
短く僕は義母を促します。
ポロシャツの上のボタンに義母の細い指がかかり、
間もなく上半身は薄い藍色めいたブラジャーだけの
姿になりました。
「ブラもだよ。それから下もね」
平然とした声で僕はさらに義母を促しました。
僕の惰眠の間の時間で、義母は凛とした気持ちに
戻り、理性の心まで取り戻していたのは、食事の時
のあの強い意志のこもった僕への毅然とした説諭じ
みた諭しの声でわかっていました。
その義母の蘇った理性を、僕はまた破壊しようと
しているのでした。
おずおずとした仕草でブラジャーのホックを外す
義母の心には、おそらくまだ理性は相当に残ってい
るのでした。
「この食器の片付けは僕が今からしてやる。亜紀
子はそれが済むまでに、全部のものを脱いでおくん
だよ」
そういって僕は立ち上がり、座卓の上の食事の後
の食器類を手際よく盆にまとめ室を出ました。
一度戻った時には、義母はまだ上半身だけが裸の
ままでした。
義母は僕の脅迫じみた言葉で突き落とされた絶望
の淵の中で、躊躇い、狼狽え、動揺しきっているの
がわかりました。
残っていた食器類を持って室を出る前に、
「早くしなよ」
と僕はわざと乱暴な口調でいい残して、また室に
戻ると、義母は同じ場所で座位の姿勢のままでした
が、衣服は何一つ身につけてはいませんでした。
当然、僕と視線を合わすはずもない義母でしたが、
改めて彼女の慄き震える白い裸身を見ると、俄然、
僕は欲情の心を大きくし、ある企みを持って機敏に
動くのでした。
身を小さく竦め深く顔を沈め込んでいる義母を無
視して、昼間にこの室の隅に置いていた、アダルト
ショップから持って帰った紙袋を足元に置き、次に
きれいに片付けた座卓の上に、横にあった上布団を
かけ敷いたのでした。
昼間の短い時間でしたが、僕は慣れぬアダルトシ
ョップの店内を右往左往した時、ある写真雑誌を見
たのですが、巻頭部分に武家時代の内容で、仇討ち
のため女でありながら男の小姓姿に身を変え、悪人
どもと刃を交え闘うという流れで写真が構成されて
いて、あるところでその女剣士が捕われの身となり、
着ているものを剥ぎ取られていき、ついには座卓の
上に全裸にされ仰向けの状態で両手両足を四方に拘
束され、恥ずかしく陵辱を受けるというのがあった
のです。
その美貌の女剣士の顔が最初は屈辱に気強く堪え
ていたのが、悪人どもの寄ってたかっての狡猾な陵
辱の前に屈し、ついにはその悪人どもに隷従し悶え
狂う淫靡な内容が、コマ送りの派手なカラー画像で
掲載されていて、その座卓上での画像が強く僕の印
象に残っていたのです。
僕は座卓の横で深く頭を垂れている義母の両肩を
掴み起こすように持ち上げ、彼女の小さな白い裸身
を座卓の布団の上に仰向けにしたのでした。
そして紙袋から買ってきた赤い縄紐の束を取り出
し、馴れぬ動作で義母の両手両足をあの画像のよう
に四方に括り止めたのです。
義母の顔は僕に何をされるのかという慄きと戸惑
いを露わにし、小さな抗いの所作を見せるのですが、
やがて手首足首が赤い縄で四方に固定され、明るい
照明の下で何一つ隠すもののないあられもない痴態
を晒け出していることに気づき、
「い、いやっ…こ、こんなっ」
と蒼白の顔をさらに激しく狼狽させ、唐突におし
寄せた羞恥で仄赤く上気した細い首を慌てふためく
ようにうち振るのでした。
赤い縄紐を見た時の、そしてその縄で拘束を受け
る義母は、僕も少し驚くくらいの反応を見せたので
した。
昼間にアダルトショップで見た小姓姿の全裸にさ
れた女剣士の画像と、眼鏡をかけた顔に慄きと狼狽
の表情を一杯にした義母の、年齢の衰えはさすがに
隠し切れなくも小さく白い艶やかな肌の裸身が、僕
の昂まり出した気持ちの中で妖しく交錯し、さらに
興奮の度合いをいや増してきていました。
紙袋からもう一つのものを僕は取り出しました。
電気マッサージ器でした。
通常には肩や首や腰の凝りを強弱のついた振動で
癒すものですが、一方で女性の身体を悦ばせる性具
になっていることは僕も当然知っていました。
その器具のコードをコンセントに差し込み、取り
あえずそれは布団に置き、僕は義母の顔の近くでシ
ャツとトランクスを脱ぎました。
慄きの表情をしたままの義母の眼鏡の奥の目が、
素っ裸になった僕を捉え、慌てて顔を背けていまし
た。
座卓の横に僕は腰を下ろし、片方の掌を義母のす
べすべとした艶やかな腹肉に這わすように置き、も
う一方の手に電動器具を持ち、彼女の脇腹近くに当
てスイッチをオンに入れました。
「ひいっ…」
と掌と電動器具による同時の愛撫に、忽ち義母が
腰を高く浮かすようにして、喘ぎの短い声を上げま
した。
腹部をいたわるように撫で回したその手をゆっく
りと乳房に向けます。
蜂の飛ぶような振動音を出す器具の照準も乳房に
合わせていました。
遮るものは何もなく僕の手は、義母の可愛く小さ
な乳房の膨らみを捉えました。
「ああっ…」
義母の小さな喘ぎの声がすぐに上がりました。
少しの時間をかけ、僕は自分の手と電動器具を交
互に駆使し、義母の乳房と小さな蕾のような乳首へ
の愛撫に専念しました。
両手の自由を奪われている義母は、切なげな息を吐
き間断なく喘ぐしかありませんでした。
腰を上げ顔を義母の顔に近づけると、熱い吐息の音
が耳にしっかり聞こえます。
唇に唇を寄せていくと、最早、義母は逃げることな
く僕の唇を迎えるのでした。
重ね合った口の中で舌と舌が呼応し合うに熱く絡ん
でました。
恥ずかしく縄紐で拘束され抗いが不可能ということ
を知り、義母はされるがままに僕の愛撫を受けている
のか、また再び女としての官能の炎を燃え上がらせて
きているのかはその時はまだ不明でした。
乳房を堪能した僕の手は義母の下腹部に伸びてい
ました。
やや半開きの状態で両足首を座卓の脚に固定され
ている義母の下腹部の漆黒の茂みの中へ、僕の手は
いとも容易く侵入していました。
電動器具のスイッチを一旦オフにして、指二本で
茂みの中の肉襞を開けると、そこはもう僕も少し驚
くくらいに夥しく濡れそぼっていました。
「ああっ…」
熱く淫靡に濡れそぼってしまっていることを僕に
知られ、激しく狼狽するかのようにを首を大きくの
け反らせ顔を激しく歪ませながら、義母は一際高い
明らかな愉悦の声を上げるのでした。
「亜紀子、気持ちいいのか?」
と僕が耳元で囁くように聞いてやると、義母は大
きく頭を振るようにして、
「い、いい…いいの、浩二…さん」
ともう高く昇り詰めているかのような声で告知し
てくるのでした。
「もう、僕に説教なんかしないよね?亜紀子」
「ああっ…は、はい。…も、もうしません…ああ
っ」
「亜紀子はもう僕の奴隷になるんだよね?」
「…はい、あ、あなたの…」
「何?」
「こ、浩二さんの奴隷になります…」
「亜紀子はいい子だ。これからもっと、もっと恥
ずかしいこと一杯してやるね」
「ああっ…はい」
義母の下腹部に伸ばした僕の手は、まるでぬるま
湯にでもつけた後のように掌全部をが滴り濡れてい
ました。
義母のその激しく夥しい滴りは布団の布地にも大
きく確かな染みを滲ませていました。
赤い縄を見る前の、そしてその縄で両手両足の拘
束を受ける前の義母の羞恥の表情と、見て拘束され
た後の彼女の反応が、明らかに違うのを僕は何とな
くですが気づいていました。
それはあの山小屋での最初の行為の時から、病院
の病室のベッドでの抱擁の時、そして今日の午後か
らの義母との淫靡な睦み合いまでを含めて、あまり
性知識のあるほうとはいえない僕も、薄々ながら感
じていたことがありました。
四年前の青木の件もそうですが、義母の亜紀子に
は彼女自身ですらまだほとんど知っていない被虐性
というか、平たくいうとマゾな部分があるというこ
とを、僕は座卓の上で異様な拘束状態のまま悶え狂
おうとしている彼女に接し、もっとさらに卑猥で淫
らな状況に追い込みたいと思うのでした。
そして義母と僕の夜は長く熱く続いたのでした…。
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15/06/26 04:08 (YUHR382J)
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