脱衣場の戸が開く音と同時に義母が出て来る、その様子は何時もと同じで髪を拭きながら現れた。
そんな義母を私は、じっと見つめた。
義母は瞬間的に私の方に視線を送ったが直ぐに視線を逸らし、そのまま寝室に消えて行った。
昨夜の事を怒って私を軽蔑したのだろうか?思い詰めた義母が昨夜の事を義父や妻に話してしまうのじゃないだろうか?
悪い事ばかりが頭を過ぎってしまう。
次の朝も、またその次も家庭内の雰囲気は何事も無く過ぎて行った。
妻が仕事の休み明けでパートに出掛けた夜、その日は何時に無く義父は晩酌の量が進み、夕飯を終えると同時に、寝ると言って寝室に入って行った。
何時ものように子供達が風呂から出る時に義母を呼ぶ。
あの日以来、義母は私の方を見る事が無くなっていた。
普段なら濡れた子供達の体にタオルを掛けて居間に連れて行く義母が、脱衣場で子供達の体を拭き始めた。
既に体を洗い終えていた私は、タイミングを計らい脱衣場に出た。
そんな私を見て見ぬ振りをするように義母は子供達の体を拭き終える、一目散に子供達は裸でリビングに飛び出して行く。
義母が脱衣場を出る瞬間に私を見た。
その目が私に何か言ってる感じがした。
軽蔑の視線だろうか?それとも…。
思いが耽る中で私はパジャマに着替えリビングに戻った。
「さっ、今日は、お利口に早く眠るのよ」
義母に言われ子供達は私の手を取り寝室に行こうとする。
「今日は疲れてるから早く寝ると思うから、お願いね」
義母が私に向かい言う。
確かに布団に入ると30分も経たない内に子供達は、うつらうつらとし始めた、私は子供達が眠った事を確かめると何時ものようにリビングに戻り、何時ものようにコーヒーを飲んでいた。
飲み終える頃に脱衣場から義母が出て来る、その日の義母は頭から、すっぽりと被るネグリジェ風のパジャマ姿だった。
同じように髪を拭きながら台所に立ち水道の水を飲んだ、そんな立ち振る舞いの後ろ姿を見ていた私は、下着を付けてない…と感じた。
振り返った義母は私を見ながら寝室に入ると直ぐに戻って来た。
出来る…私は直感した。
しかし、そこで直接的な会話はなく、私は熱い視線だけを向けた。
義母も私を見返して来る、その内に私を見つめたまま義母は立ち上がり玄関に向かう、後を追うように私も立ち上がる。
この前と同じ納屋の陰で向き合う義母と私。
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