母が会社を辞めて、半年くらい経った頃でした。『車検だし、車買おうかと思うんだけど。』と言ってきました。母の乗用車も、いい加減くたびれてます。
そう言って、テーブルに並べられたのは、メーカー各社のミニバンのカタログばかりでした。どれも高いのではないでしょうか。
父は普段、仕事用の車ばかり乗ってました。そのため、家族用の車はいつも母が購入していて、父よりも母の方が車には遥かにこだわりがあります。
買う乗用車はいつも大きめのもので、軽自動車には興味がないようです。
しはらくして、我が家に白のミニバンがやって来ました。車に興味がない僕でも、『これは400~500万はするだろうなぁ。』と想像ができました。
この車が来たことで、母と僕はいろいろと出掛ける機会が増えます。普段スーパーとか買い物程度のだったのが、観光スポットにも足を運びました。
そんな時は、僕の方はデート気分にもなり、ウキウキ状態。ほんとこの頃は、ミニバン様樣だったのです。
ところが、状況が変わり始めます。車の足回りに、小さな汚れを見つけた僕は、タオルを濡らしてサッと拭き取り、掃除をします。
ところが、それだけに飽き足らなくなり、車の中の掃除を始めてしまったのです。もちろん、まだ新車の匂いの残るくらいにきれいなままです。
ですので、『足マットのホコリくらいは落とそう。』と考えたのです。
しかし、そこである物を発見します。緑色をした何かの切れ端でした。『これ、なんのお菓子だっけ?』とお菓子の包み紙のことばかり考えていました。
しかし、それはお菓子ではなく、コンドームの袋の切れ端であることに気づくのです。
母がコンビニの袋に入れて、僕のモノを捨てにいくこともあります。たまたま、その口が開いて落ちた可能性もあります。
これはないでしょうが、母が車の中で自分を慰めた可能性もないわけでもありません。
しかし、僕は立てたもうひとつの仮説ばかりを気にし始めていました。『ここで、どこかの男が使ったのではないか?』ということです。
もちろん、そんなことは聞くことも出来ず、また1つ解けない母の秘密が生まれてしまうのでした。
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