二人で抱き合っていた。
すると俺の腹が、ぐぅ~と鳴った。
すると母が笑った。
『んもう、ムードないお腹ね~』
そう言って俺の腹をペチンと叩いた。
時間を見たらもう六時をとうに回っていた。
母は床のネグリジェを取り、身につけた。
ベッドの布団のあらゆる場所が、ぐちゃぐちゃに濡れて、冷たくなっていた。
汗、母の汁。
部屋を出ようとした母に俺は言った。
『母ちゃん、この布団で寝れないよ』
部屋を出ようとした母が戻り、布団を手で触って確かめた。
『これじゃ確かにダメね』
姉が使っていた布団か、来客があったとき用の布団を使えと言われた。
乾かすから、今晩一緒に寝ていいか聞いた。
すると母はこう答えた。
『私の布団までこうなっちゃうじゃない』
そう言って笑った。
それからは母の部屋、俺の部屋、交互に使い、一緒に寝るようになった。
一昨年のまだ残暑残る初秋のことだった。
そして現在に至る。
幸いなことに、母は妊娠することなく至っているが、五十になった母はまだ閉経になっていない。
と言うより、きちんと一定周期できている。
母の体力面を考慮し、俺は毎日でも平気だが、週三くらいに抑えている。
彼女ともまだ続いていて、母は彼女の存在を当然知ってるが、彼女には悪いが二股状態だ。
追伸
離婚後の母の男関係を、つい最近、やっと母は話してくれた。
俺が中学の頃、仕事関係で知り合った男性と一年くらい付き合った。
俺が高校の頃には、再婚も視野に入れた男性と一年くらい付き合ったとのことだった。
姉に再婚の相談しようかと思い出したあたりに、その男性と歯車が噛み合わなくなり、別れたとのことだった。
それなりに彼氏はいたんだなと知った。
そして母はそれを告白したあと、こう言った。
『離婚して、女として消えかけていたときに男性と知り合い別れ、また消えかけていたときに男性と知り合い別れ、また消えかけていたとき、今度はあんただった。浴衣を荒々しく下げられたとき、あんたに男を感じてしまったんだよね』
母が抵抗しなかった理由だった。
そして着いた火は消せなかったわけだ。
彼女もこの春、大学を卒業し、社会人になる。
この先どうなるか、それは俺にもわからない。
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