先日、叔母夫婦の家へ行き、養女になる話を承諾してきた。
二人は喜んでくれたけど、私が「結婚はしない」と言うと、険しい表情になった。
「どうして?」
という叔父に、
「理由はありません。結婚したくないだけです。」
「でも、」
「後継ぎの事なら、私が養子を迎えたら構わないですよね?」
と言うと、
「本気で言ってるの?」
叔母が心配そうに訊ねて来たので、
「本気だよ。私は姓が変わっても、私でいたいから」
と答えたら、二人は考え込んでしまった。
「もし、この条件を呑んで貰えなければ、養女の話はなかった事にして下さい。」「もちろん、マンションもすぐに出て行きますから」
この1年、悩まされ続けた問題に、私なりの答えを返した。
取り乱してる叔母をみた叔父が、
「分かった、君の気持ちを尊重する。」
「娘になって貰えるなら、それだけで構わないし、君の気持ちが変わって、誰と結婚しても、私達は干渉しない」
と言った。
「ごめんなさい。私はまだ、何も言えない」
と叔母は泣いていた。
その場は、それで話は終わった。
翌日、実家の母に呼び出された。
叔父が年明けに、がんの手術を受けるという。
しかも余命宣告をされているらしい。
母は私に泣きながら懇願した。
気丈なイメージとはかけ離れた母の姿を見て、私は戸惑った。
優しい叔父が、病魔に侵されていたと知らされたショックで、しばらく考えがまとまらなかった。
コロナ禍の年の瀬。
不安な気持ちを抱えて、家族というものを見つめ直していた。
家族ってなんだろう。
弟を愛して、幸せに暮らしていた。
妹が出来て、姪が生まれ、新たな命も生まれようとしている。
もう私も弟に、恋をしている場合じゃないのかも知れない。
心が揺れてる。
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