思わず、何年も隠し続けてきた想いを、勢いで告白してしまった私は、恥ずかしくて何も言えなくなりました。
弟も私の告白を信じられないみたいで、しばらく黙ったままでした。
17歳でファーストキスなんて、恥ずかしいくらい遅いのに、何だか悪い子になった気がしました。
とにかく大学受験を済ませてからと思って、気持ちを切り換えようとしたものの、隠してきた想いが溢れてしまい、気がつくと勉強中に、キスを迫ってきた弟の顔ばかりが浮かびました。
平穏な家庭の中で、私だけがモヤモヤしている気分になると、ついオナニーしてしまい、それが日課になって行きました。
(どうしよう。このままでは受験だって失敗する)
気が散って勉強に集中出来なくなった私は、両親が旅行している時に、弟が入浴している浴室に乱入しました。
「どうしたの?」
と、弟は裸の私を見て、ビックリしてました。
私は悪びれもなく、
「二人しかいないんだし、お湯を沸かすのも勿体ないから、一緒に入りましょ」
と、苦しい言い訳をしました。
でも、何年も一緒にお風呂に入ってなかったし、二人とも身体が成長して、あの頃みたいにはならなかった。
冷静を装ってみたけど、内心は凄くドキドキしていた。
シャワーで身体を洗いながら、私に背中を向けてる弟を眺めていた。
シャワーを止めると、
「ねぇ、寒いよ。交代して」
と私が言うと、弟は前を隠して浴槽から出ました。
隠した手の隙間から、黒々と繁った陰毛が見えた時、弟が大人になった事を、改めて感じました。
「ねぇ、お姉ちゃんの事、本当に愛してる?」
告白から一週間も過ぎてから、私は気持ちを確認してみた。
弟は黙ったまま、身体を洗っていた。
「お姉ちゃんは、ずっと愛してたよ」
と言っても黙ったままだった。
(返事ぐらいしてよ)
と思ったけど、聞こえないフリを続けていたから、
「お姉ちゃんの事、欲しい?」
と聞いた。
一瞬で時間が止まった。
シャワーの水音だけが響いている浴室で、二人は凍りついていた。
(どうしよう。私はどんな答えを弟に求めてるの?)
静寂は徐々に、重苦しい空気に変わって行った。
「あのさぁ、欲しいって言ったら、どうするの?」
質問を質問で返された。
「待ってて欲しい」
「今はまだ、覚悟も出来てないから、欲しいと言われてもあげられない」
と答えた。
「俺、まだガキだし、何にも出来ないし、姉ちゃんの覚悟ができるまで待ちたい」
と言われた。
本当は、今すぐにでもあげたいのに、臆病な私は何もしてあげられない。
「ごめんね」
「お姉ちゃん、情けないね」
気持ちが溢れて涙が出てきた。
「あなたはモテるんだから、私の事を待たなくても良いよ」
「好きな女の子が現れたら、付き合っても構わないからね」
心にも無い事を口走ったけど、それは私の「お姉ちゃん」としてのプライドだった。
「大丈夫だよ。」
「俺、お姉ちゃんが思ってるより、お姉ちゃんが大好きだし、愛してるから」
と言われた。
素直じゃない私は、
「バカ、生意気言わないでよ。お姉ちゃんの方がアナタより、ずっと愛しているんだからね」
と笑って返した。
何だか気持ちがスッキリした。
家族はやっぱり、裸で語り合うべきだと思った。
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