就職して関西勤務になった僕は家を出て一人暮らしをしていた。
遅く帰宅しても、女の子を泊めても誰にも迷惑を掛けることのない
気楽な生活だが、母と会う機会が激減したことだけは不満だった。
社会人になってからも相変わらず母を想像しての自慰を続けていた
のだ。
初めて母で射精したあの日以来、自分が普通ではないことに悩み、
意識して同年代の女の子と付き合いまくり、正常化を図った。
彼女ができる都度、相手を愛おしく思い、容姿を見て可愛いなとか
綺麗だなと感じ、セックスもする。
つまり、僕は正常のはずなのだ。
けれど、母を想って行う自慰は現実のセックス以上に興奮し、凄ま
じい射精に導いた。
羞恥に耐える美しい表情は普段見ている顔から勝手に想像すること
はできたけれど、裸だけは分からない。
幼少期に見たであろう母の裸など記憶もなく、想像するしかない体
の隅々を弄び、あられもない姿で犯した。
家に居た頃、盗み見たその体は当然ながら服に包まれていた。
エプロンを張らせた胸、デニム越しの丸いお尻、どこも年齢の割に
垂れることなく、その輪郭は僕を興奮させた。
只、そんな現実の、服を着ている母でさえ、一人暮らしの僕は年に
数回の帰省時にしか見られないのが不満だった。
昨夏、親戚の集まりが行われるM市内の会場で久しぶりに両親と妹
に会った。少し綺麗になった妹を冷やかしながら、やはり僕は母を
見てしまう。
50歳になって間もないけれど、40歳前後で通じるのではないだろう
か。そして、会場を出入りする誰よりも美人で、輝いて見えた。
初見の親戚も多くいる大部屋では笑い声が絶えず、賑やかに時間が
過ぎていく。
僕は従姉妹たちと盛り上がっている最中、久しぶりに見る叔父や初
見の男たちの輪の中心にいる母を見つけた。
赤ら顔の男たちは嬉々として酒を母に勧める。
(あんたたちが酔わせたとしても母をどうにも出来ないよ)と思い
ながらも、彼らが母に浴びせる性的な視線を不愉快な思いで僕は見
ていた。
翌日にゴルフがあるとかでタクシーで空港に向かう父を見送った後
も宴は続き、21時頃にようやくお開きとなった。
二次会に誘う男たちから母を引き剝がし、恨めしい顔の彼らに慇懃
に挨拶して二人で大部屋を出た。
女子会に向かうのだと騒がしい従姉妹たちとロビーで別れ、僕たち
は駅の近くに予約されているホテルへ歩き始めた。
雨上がりの外は夜でも蒸し暑く、酔い覚ましにもならないけれど、
母と並んで歩けることが嬉しかった。
頬と耳がわずかに赤らんだ母の顔はこれまで見たことがなく新鮮
で、
合コンで酔っ払った女の子たちと何ら変わらないなんだな、と色っ
ぽくも可愛らしくも見える横顔に見惚れていた。
久しぶりに会う息子を見上げ、一生懸命に話しかける母を横目に僕
は不愛想に返事をする。
僕の想いを見透かされているようで恥ずかしかったのだ。
親戚が予約してくれたホテルは高層で、別々の部屋が用意されてい
た。すぐに部屋に駆け込み、母の残像が新鮮なまま、自慰に励むつ
もりの僕には有難かった。
ホテルに着いた安堵から酔いが回ったのか、母は無口になってい
た。
ロビーでサービスされたコーヒーを片手に、二人でエレベーターに
乗るとそれぞれのフロアのボタンを押す。
その行為は僕を無性に寂しい気持ちにさせ、揃って無口になった箱
の中で母が口を開いた。
「可愛い息子の部屋でコーヒー飲もうかな」
心臓が高鳴った。
破裂しそうなペニスを鎮めるために一人にさせて欲しいという気持
ちと、このまま部屋で二人だけになったら、自分を抑制できるのだ
ろうか、という不安からだ。
勿論、実の母親に襲い掛かるなどあり得ないのに。
何とか「別にいいけど」と返事ができた自分の声が震えているよう
だった。
寒いくらいに冷房が効いた部屋。
ホテルまでの道のりで汗ばんでいた体が急激に乾いた。
一人では十分な室内も二人では狭く感じられ、窓際の椅子を母が使
えば僕はベッドに座るしかない。
毎日ちゃんとご飯は食べているか、睡眠は、運動は?と母親らしい
質問や他愛もないことを話していたが、程なくして沈黙が流れた。
「もう眠たいでしょ?ごめんね。部屋に戻ろうかな」
静寂に耐えかねるようにハンドバッグを手にした母と同時に立ち上
がった僕。
部屋の出口まで見送るつもりだったのだ。
本当に見送るだけで、一人になったら存分に…。
ドアノブに手をかけた母を背後から抱きしめていた。
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