その日は夫が出張で息子と2人きりでした。
いつもみたいにホロ酔い気分になって
ソファーで息子を膝枕しながら晩酌を楽しんでいたんです。
「なぁ、母さん。ちょっとお願いあるんだけど……」
『なあに、お小遣いならこの前あげたでしょ?』
「違うって、その……
この前のもう1回着て欲しいんだけど」
『この前のって何よ? はっきり言いなさいよ』
「制服だよ。あれ着て膝枕して欲しいなぁ……なんて」
『ウチはそういったサービスはしておりません。
早く彼女作ってやって貰いなさいな』
「あ~あ。 せっかくテスト頑張って学年3位とったのに……」
「あ~。 もう、勉強も何もヤル気しねぇ」
『もう、そんな事言わないの。
明日タクヤの食べたいもの作ってあげるから、それで我慢なさい』
コロンと反対側を向いて不貞腐れている息子を
撫でてなだめてみるも一向に機嫌は治りません。
(そんなに私の制服姿を気に入っていたなんて……)
嬉しくもあるけど、母親としては少し複雑な気分です。
確かに今回のテストは凄く頑張ったと思います。
毎日夜遅くまで勉強していたのも知っています。
たぶん私に褒めて欲しくて頑張ったに違いありません。
そんな息子に応えずして何が母親でしょうか。
『はぁ~。しょうがないわねぇ~』
『準備に時間かかるから
母さんのおつまみでも食べて待ってなさい』
私は2階の自室に行き、息子のために準備を始めました。
最近良く若作りしているおかげか
この前よりも断然良い仕上がりになりました。
自分で言うのもアレですが、こんなのがクラスに居たら
男の子達も堪らないだろうなと思う程の仕上がりでした。
(うふふ……あの子の喜ぶ顔が早くみたいわ)
そうして私は再びあの姿で
嬉々しながら息子に会いにいきました。
この後、男女の関係となってしまう事も知らずに。
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