次の日です。
私、どうしても気になって。
「ねえ、私に何か隠し事あるんじゃない?」
「昨日の事?言えないよ。おばさんと約束だから。母さん何でもおばさんに言うから。」
「言わない、絶対言わないから。」
「信じられない。」
「絶対よ。だから言いなさい。」
私、いつになく声を張り上げてしまいました。
「わかったよ。旅行。」
「旅行?旅行がどうしたの?」
「二人で行こうって。」
「夏子と二人で?そんなの、だめに決まってるでしょ。」
「だから、内緒なんだよ。おばさん、ここじゃ母さんいるから嫌だって。」
「あなた、もしかして、今度の土曜日、友達の家に泊まるっていうの?」
「そうだよ、おばさんと温泉旅行。」
「だめ、絶対にだめ、」
「だめって、可哀想だよ、おばさん、凄く楽しみにしてるのに。」
「夏子が楽しみ....だったら、だったら私も一緒に行く。」
「え、母さんも、」
「あなた、旅館の名前、知ってるんでしょ。」
「そら、聞いてるけど。」
「教えなさい、今から電話するから。」
旅館は芦原温泉にある高級宿でした。私、電話して、急遽一人増えて、三人になりますって、勝手に。
でも、追加料金聞いたら、結構高くて、そんなの、主人に言えないし、
「かあさん、おばさんになんて言うの?」
「言わなくていいわよ。
土曜日の待ち合わせは?
「京都駅に9時。」
「だったら、一緒に行って、夏子驚かせましょ。」
私も夏子と同様、土曜日が、凄く待ち遠しくなりました。
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