母が用意してくれていた料理は「がめ煮」という九州の煮込み料
理。
育ての母は料理が得意だったのですが、洋風の料理を好んで作る人
だったので、手作りの煮込み料理は新鮮でした。料理をつっつきな
がら、まだ他人行儀な感じで母と話をする私。記憶が全くないとは
いえ、私の幼い頃(3歳まで)の話をする母は嬉しそうで、それを
聞いていて、「邪魔になったから私を捨てたのではないみたいだ
な」とわだかりま氷解して行きました。
「今日は泊まっていけるの?」と聞く母に、本当は泊まるビジネス
ホテルを抑えていたけれど、「はい」と答え、ホテルをキャンセ
ル。狭い一室に2つの布団を敷き、それぞれの半生を語りながら、
いつの間にか寝てしまいました。
そして目覚めた時、台所で料理する音が聞こえて来た。贖罪の気持
ちがあるのでしょうね、母は私に手作りの料理を出すことで、少し
でも親子で接せられなかった時間の穴埋めをしたかったようです。
食事をした後、近所に買い物に行くという母に付き添い、スーパー
で買い物。その時点では他人行儀な感じも薄れ、それなりに親子と
いう感じで話をしていました。
結局、その日は夕方まで母のところにいて、家に帰宅しました。母
とまた会えた嬉しさ‥と書いたら素敵なのでしょうが、本音を言え
ば「やっぱりいい女だなあ・・男いないのかなあ?」というゲスな
感情が湧いた私です。その日は、母の胸元や口元にほくろがある唇
を思い出し、2度も抜いてしまいました。本当に鬼畜です。
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